第8話 炎の精霊フラーモ
翌日。
何事もなかったように一日が続いた。みんないつもどおりで、まるで記憶がなくなってしまったみたいに。
「おはよう。」
「ああ、おはよう」
「昨日はすごかったね。びっくりしたよ」
何故か璃奈は覚えている。なんでだ。いやこれが普通なのか。
その後家に帰るときだった。
「ちょっといいですか?」
「おれか?」
~~
「緊急事態です。」
「何がだ」
「今日おかしいと思いませんでした?」
「まあおかしかったな」
「実は大規模な記憶改ざんが行われたようです。」
「記憶改ざん?そんなことできるやつがいるのか?」
「この学園がどういうものか、あなたも理解してるでしょう?」
「だからって…」
「我々風紀委員会は今総力を挙げて調べています。あ、申し遅れました。私は東条燕といいます。」
「信じられん…そんなことが可能なのか…」
「あくまでも推測です…」
~~~~~
到底信じられない。しかし可能なのかもしれない。そんなことを考えていた時だった。
「ねえ、アンタ。」
「?」
「お兄ちゃんの敵よぉ!!」
「うわっ」
「ああああああああああ!!!!!」
「やめろっ!」
とっさに能力を使った。10%くらいの力で。
「ああああっ…………」
「…大丈夫か?」
「来るな!お兄ちゃんを…」
「お前は…誰だ?」
「…金剛美希だ!お前を殺す!」
「やめろっ!!」
「はぐぁ…」
「何が目的だ」
「お兄ちゃんを殺した…お兄ちゃんから精霊を奪った!許さない!」
「は?精霊?何の話をしているんだ?」
「とぼけるな!精霊を奪ったんだろう!炎の精霊…フラ…モ…」
「おい!どうした!しっかりしろ!」




