第6話 戦乱
翌日。現在俺のいる第四地区は先日出された警戒警告より危険度の高いことを表す緊急警戒警告が出されている。
もう部屋の中にいても外で殴り合い等の音が聞こえるくらいだ。
実は昨日俺が戦った?ことになるだろう不良グループはその後金剛組のお偉いさんに報告。結果
金剛組、及び金剛組の傘下(通称金剛組合)が総力をあげて風紀委員会、いや天籟霤学園そのものを叩き潰すらしい。
そんなわけで緊急警戒警告が出されていて外には出れない。おまけに第四地区と第五地区は他の地区との行き来が出来なくなっている。つまり第四地区、第五地区の一般人は逃げられないわけだ。
「はぁ…」
ふと溜息をつく。そんなときだった。
ガシャン
窓が割れるような音がした。音のする方向を見ると、俺の部屋の窓が割れていて、石があった。
「この石か?ったく…」
そんな独り言をつぶやいた瞬間…
「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!」
外から悲鳴が聞こえた。俺は割れた窓から外を見た。そこには…
「なんだあいつは!?」
「一旦退避!身の安全を確保しろ!」
見るとそこには身体から炎を出す男の姿があった。
「何あれ?CG?最近の技術はすごいなあ」
そんなわけない?のか?あれは本物か?でも信じられない。あんなのが人間だって?
あれが人間なら俺達はなんなんだ?あいつらが人間じゃないんじゃないか?
ひとまず俺は寮から出た。そしてそいつの近くにいった。
「これ…CGですか?」
「………ふっ…」
何だこいつうぜえ。何様だお前。
「お前も…風紀委員会のまわし者か?」
「さーね?でも俺はお前が誰か知らないしな。」
「…俺か?名乗るほどのもんではないぜ…」
「?」
「金剛組組長…金剛努さ。」
「金剛組…?」
「ああ、そうさ。ところで…」
「?」
「お前は俺と同じ匂いがするが…やはりお前も…」
「俺?俺は普通の人間だぞ?お前みたいに火が使えるわけじゃないし」
「精霊使い(スピリットマスター)ではないのか…ふっ…」
「何だそのすぴりっとって?新しいタイプの厨二病か?」
「お前に放す必要はない。悪いが死んでもらう…」
「うわっ」
辺りを火が包む。
「あぶねーな、死んだらどうするんだよ!」
「?………生きている…何者…」
「ああ、その場所から俺を一旦空間移動させた。つってもほんの数mだけどな」
「超能力者?…か?」
「さあな?」