第2話 出会い
とまあ、こんな能力を見せたわけだが…
先ほどいったいくらでもいる。あれは事実だ。しかし全員ではない。あくまでも特にすごい奴だけらしい。
俺はこの能力のおかげで小さいころ天才少年としてテレビから引っ張りだこだった。
最終的にそんなのが嫌になったのでガセだったと嘘をついてこうしている。
それにこの力は誰もいないときに使っている。面倒なことは嫌いだからな。
「ねえ、君ってさ…」
「!?知りません。」
話しかけられた。さっきのが見られてたのか?いや、それはやめてほしかった。
「もしかして…」
「だから知りませんよ」
「…一?一なの?」
「…確かに一だが…」
「…やっぱり。僕だよ、覚えてない?隣の家にいたさ、」
あーあー。分かった。鴾月か。懐かしいな。
「そうだよ、鴾月璃奈だよ。覚えていないのかい?」
「…さあな。」
覚えてる。俺の初恋の相手だな。よく幼馴染に恋愛感情を抱かないのが多いが普通抱くだろ。
「第何地区なんだい?」
「俺か?確か第四地区だった気がするが…」
「同じじゃん。それでそれで?」
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結局璃奈と俺は同じ地区の中学部で同じ寮で隣同士という偶然どころか作者の都合も酷い展開だった。
「こんな偶然あるんだね」
だから作者の都合だ。それを分かってないとこれから苦労するぞ。
「ねえ…もし君がよければ…」
「?」
「い、いやなんでもないよ。」
「ああ、じゃあ一緒に学校行こうぜ。」
「…そ、そうだね。うん。」
そんな約束をした翌日に俺達はあんな事件に巻き込まれるとは誰が想像したことか。




