第10話 イレギュラーな存在
「にしても…この男は一体…!?」
「…ふむ、これは…」
「…予想外ですね…」
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翌日。
「おはよう。」
「ああ、おはよう」
「…元気ないね」
「なんでわかったんだ?」
「ふふ、そんなのすぐわかるよ。だって僕は君の…」
「?」
「親友、だからね。」
「…ああ。」
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「さーてと、今日も終わりか…」
俺は帰ろうとした、その時だった。
「ちょっといいですか?」
「はぁ?誰だお前」
「中央委員会の者です。天籟霤学園中央委員会事務員ですが…」
「俺に何か?」
「あなたに中央委員会最高議会からの召喚命令が出ています。至急、最高議会本部にご同行願います。」
こうして俺は連れて行かれた。
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「君が…樰川一か?」
「俺が…そうですが。」
「…話を要約しよう。君にはあるプロジェクトに関わってもらいたい」
「なんだ?そのプロジェクトって?東方か?」
「いいや。話を変えるが…君は精霊使いと神使いを知っているか?」
「はぁ?なんだそれは?」
「君がこの前戦った…金剛という男がいただろう?奴は炎の精霊と言われるものを所持していた。」
「それを持ってると…」
「超能力をはるかに超える力を手に入れられる。そして神使いはさらにそれを超える。」
「で…そんなのが本当にいるのか?」
「精霊は常に宿り主を探している。だから金剛がお前に負けた時金剛から炎の精霊の力はなくなり、炎の精霊は宿り主を探しに逃げ出したのだ。」
「神使いは…?」
「神使いは生まれつき、神の力が備わっている。ただしそれはあるきっかけがないと覚醒しない。そして覚醒できないまま死ねば神の力は別の人間に移っていく…」
「覚醒して死んだらどうするんだ?」
「…残念ながらそのデータが存在しない。そして君はイレギュラーな存在だ。」
「俺が?…か?」
「ええ。精霊使いでも、ましてや神使いでもないのに何故精霊使いに勝てたのか。それもただの超能力者であるだけで。」
「さあな。俺もわからん。」
「でしょうね。我々にもわからないんですから。ところで…」
「ん?」
「風紀委員会の情報を教えていただけませんか?」
「はぁ?なんで俺が…」
「スパイですよ、第四支部の東条氏と仲が良いらしいじゃないですか」
「は?なんでだ?断る。」
「そうですよね。ははは。」