第5話 最初のクエストが思ったより平和じゃない
今日もよろしくお願いします( `・ω・´)ノ ヨロシクー
さっそくスタート
ギルドを出ると、街の空気は少しだけ落ち着いて感じられた。
石畳の道。露店の呼び声。
さっきまでの視線が嘘みたいだ。
「……注目されるの、やっぱ疲れるな」
会社で会議資料を説明するときと同じ感覚だった。
何かやらかすんじゃないか、という無言の圧。
掲示板の前に立ち、依頼書を眺める。
討伐、護衛、探索。
文字だけで胃が重くなる。
「最初は薬草採取、だよな……」
難易度E。報酬は少なめ。
だが、命の値段としては十分だ。
受付嬢に依頼書を出すと、少し安心したように微笑まれた。
「無理はしないでくださいね」
「無理しないのが得意です」
それは本当だった。
無理をしないために、無理を続けてきた人生だ。
街の外に出ると、すぐに景色は変わった。
草原。低い丘。
遠くに森が見える。
「この辺りなら魔物も弱いわ」
背後から声がした。
振り返ると、女神が普通に歩いていた。
「いたんだ」
「暇だから」
神様、暇でいいのか。
薬草は意外と簡単に見つかった。
受付嬢にもらった絵と特徴が一致する。
しゃがみ込み、一本ずつ丁寧に摘む。
単純作業。
嫌いじゃない。
「……あれ?」
気づくと、体がやけにスムーズに動いていた。
腰も痛くない。
指も震えない。
「健康体、最高だな……」
その時。
背後で、草が擦れる音がした。
「来たわね」
女神が言う。
振り向いた瞬間、小さな影が飛びかかってきた。
「うわっ!」
反射的に避ける。
着地したのは、犬ほどの大きさの魔物だった。
牙はあるが、魔狼ほどではない。
「ゴブリンの斥候よ」
「斥候って言い方がもう嫌なんだけど」
ゴブリンは短剣を振り上げて突っ込んでくる。
俺は後ずさりし、転びそうになる。
その瞬間。
ウィンドウが視界に浮かんだ。
ログインボーナス準備中
連続ログイン:2日
「今!?」
短剣が、肩に当たった。
……当たったはずだった。
カン、と乾いた音。
刃が弾かれ、ゴブリンの手から飛ぶ。
「……効いてない?」
ゴブリンが一瞬、固まる。
次の瞬間、俺の体が勝手に動いた。
腕を振る。
当たっただけ。
それだけで、ゴブリンは吹き飛び、地面を転がった。
動かない。
静寂。
「……倒した?」
「倒したわね」
女神が淡々と言う。
ウィンドウが表示される。
魔物討伐
経験値獲得
俺はしばらく、その場に立ち尽くした。
手が、少し震えている。
怖かった。
でも。
「……生きてる」
昨日までの俺なら、確実に死んでいた。
「それが積み上げの力よ」
女神が言った。
「一日分は小さくても、続けば大きい」
俺は空を見上げる。
青空は、相変わらず遠い。
でも。
「……今日は、ちゃんと前に進んだ気がする」
薬草を拾い直し、依頼を続ける。
ウィンドウが、静かに光った。
ログイン継続:2日達成
明日の報酬ランク:R
次回もよろしくお願いします。( `・ω・´)ノ ヨロシクー




