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第3話 最初の敵がだいたい強そうな件

今日もよろしくお願いします( `・ω・´)ノ ヨロシクー


さっそくスタート

低く、腹の底に響くような唸り声だった。

草原の向こう、背の高い草が不自然に揺れている。

「……あれ、何?」

俺がそう聞くより早く、女神があっさり答えた。

「魔物」

「早くない!?展開!」

草をかき分けて現れたのは、狼だった。

ただし、サイズがおかしい。

肩までの高さが軽く俺の胸を超えている。

牙は剣のように鋭く、赤い目がこちらを捉えていた。

「初心者エリアにしては、ちょっと強めね」

「ちょっと!?」

逃げようとした瞬間、体が思った以上に軽いことに気づいた。

足が動く。

息も切れない。

「……あれ?」

「身体能力も基礎補正は入ってるわ。死なれても困るし」

さらっと言う。

魔狼が地面を蹴った。

一瞬で距離が詰まる。

「うわっ!」

反射的に腕で顔をかばった。

次の瞬間。

ガン、という鈍い衝撃。

……痛くない。

恐る恐る目を開けると、魔狼の牙が俺の腕に突き立っていた。

正確には、突き立とうとして、止まっている。

「……え?」

牙が、砕けた。

ボロボロと白い欠片が地面に落ちる。

魔狼は目を見開き、数歩後ずさった。

「今のが、全属性耐性MAXよ」

女神が解説する。

「物理攻撃も、ある程度は属性に含まれるから」

「いや、聞いてない聞いてない」

魔狼は再び飛びかかってきた。

今度は爪。

俺は思わず、腕を振った。

バキッ。

嫌な感触。

魔狼の体が、横に吹き飛んだ。

数メートル先の地面に転がり、動かなくなる。

「……え?」

俺は自分の手を見る。

震えている。

でも、力を入れた感覚はない。

「基礎ステータスは一般成人男性より少し上くらい」

女神が言う。

「相手が勝手に自滅しただけ」

「嘘だろ……」

倒れた魔狼の体が、光の粒子になって消えていく。

同時に、ウィンドウが表示された。


魔物討伐!

経験値を獲得しました



「経験値も入るんだ……」

「入るわよ。RPG世界だもの」

俺は草原にへたり込んだ。

心臓が遅れてバクバク鳴り出す。

怖かった。

でも、それ以上に。

「……死ななかった」

当たり前のことが、やけに重かった。

女神が俺を見下ろす。

「これが、あなたのスタート地点」

「スタートって……」

「毎日ログインして、毎日生き延びて、積み上げる」

彼女は笑った。

「社畜が一番得意なやつでしょ?」

その瞬間、ウィンドウがもう一度光る。


ログイン継続:1日

明日の報酬ランク上昇中



俺は空を見上げた。

青くて、広くて、やけに自由そうな空だった。

「……今度こそ、サボらず生きてみるか」

次回もよろしくお願いします。( `・ω・´)ノ ヨロシクー

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