第2話 女神はだいたい説明が雑
今日もよろしくお願いします( `・ω・´)ノ ヨロシクー
さっそくスタート
「異世界……?」
その単語を口に出した瞬間、頭の中で点と点が一気につながった。
トラックに轢かれて転生。
神様からチート能力。
勇者として召喚。
ネット小説で何百回も読んだテンプレだ。
「つまり俺は、転生者ってやつ?」
「正解」
女神は満足そうにうなずいた。
「あなたの魂は現代日本で限界まで消耗してたから、別の世界で再利用することになったの」
「再利用って言い方やめてくれません?」
「エコでしょ?」
神様の倫理観、軽い。
俺は立ち上がって、自分の体を見下ろした。
スーツではない。
動きやすそうな、地味な服。
「体は?」
「18歳相当で再構築してあるわ。腰痛も肩こりもなし」
「それだけで神に感謝していいレベルだな……」
深呼吸してみる。
肺いっぱいに空気が入る。
さっきまでの息苦しさが嘘みたいだった。
「で」
俺は女神を見る。
「この世界、危険?」
「めちゃくちゃ」
即答だった。
「魔物、魔王、戦争、疫病。フルコース」
「じゃあ俺、秒で死にません?」
「普通ならね」
女神は、そこで一拍置いた。
「だから、能力をあげる」
来た。
俺は思わず背筋を伸ばした。
「やっぱりチート?」
「うーん……チートはチートだけど、派手じゃないわよ」
「派手じゃなくていいです。死なないやつください」
切実だ。
女神は指を鳴らした。
その瞬間――
視界に、半透明のウィンドウが出現した。
固有能力付与中……
「おお……」
本当に来た。
【固有能力:ログインボーナス】
・1日1回、必ず報酬を獲得
・連続ログインで報酬ランク上昇
・未ログイン時、連続記録リセット
「…………」
三秒、沈黙。
「……え、地味じゃない?」
思わず本音が出た。
剣とか魔法とか、そういうのを想像してた俺が悪いのか?
「そう言うと思った」
女神は苦笑する。
「でもね、考えてみて」
彼女は指を一本立てた。
「この世界で一番多い死因、何だと思う?」
「……魔物?」
「油断」
二本目。
「次に多いのは?」
「……慢心?」
「継続できないこと」
三本目。
「あなた、現代で何年もやってきたでしょ?」
女神は俺をまっすぐ見た。
「毎日、嫌でも続けること」
胸の奥が、少しだけ痛んだ。
「ログインボーナスは、裏切らない。
サボらなければ、必ず積み上がる」
「……社畜向け能力だな」
「最高の褒め言葉よ」
女神は笑った。
その瞬間、ウィンドウが光る。
本日のログインボーナス!
報酬:
・全属性耐性(MAX)
「……は?」
「初日ボーナスね」
「いやいやいや」
全属性って、今さらっと言ったけど。
「火、水、雷、氷、毒、呪い、精神……全部?」
「全部」
「MAX?」
「MAX」
俺はゆっくり、女神を見る。
「……これ、本当に地味?」
「さあ?」
女神が肩をすくめた、その時。
――草原の向こうから、
獣の唸り声が響いた。
次回もよろしくお願いします。( `・ω・´)ノ ヨロシクー




