表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/100

45:ブルクハルト・クンツ視点15

レベッカ夫人の遺した文書を翻訳していく事で分かった事がある。


彼女も、彼女が手紙のやり取りをしていた相手も

「この世界は乙女ゲームの世界だ」

と思っていた、という事だ。


この世界には

『暁の乙女と時空の虚無神〜革命前夜〜』

という乙女ゲームに登場していた国々や人物が実在する。


乙女ゲームの舞台はランドル王国、王都レンジリー。


メジャールートにおける攻略対象は四人。

ドミニク・レヴァイン(第一王子)

ロードリック・クロックフォード(第一王子の友人)

グレッグ・レヴァイン(第二王子)

エリアル・ベニントン(第二王子の友人)


マイナールートにおける攻略キャラは二人。

バートランド・ブロデリック(講師)

ダスティン・フェアフィールド(第二王子の近衛騎士)


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


合計六人の攻略対象がいる。

というか、いた。


そのうちの3人

ドミニク・レヴァイン(第一王子)

ロードリック・クロックフォード(第一王子の友人)

エリアル・ベニントン(第二王子の友人)

は俺もよく知る人物だ。


その乙女ゲームは

「ヒロインのクラリッサ・チャニングが王立魔法学院高等部に入学してくる」

時点で始まる。


最初の一年目、ヒロインは悪役令嬢からイジメられる。

一学年終了時には悪役令嬢が断罪されて、ヒロインは攻略対象と結ばれる。


二年目はバーネット伯爵領のダンジョンでスタンピードが起こる。

近隣の町や村がダンジョンから溢れた魔物の襲撃に遭い大量の一般人が犠牲になる。

騎士団の精鋭部隊が動員されてダンジョン攻略する事でようやくダンジョンを閉鎖させる。


それによって

「バーネット伯爵家が一族郎党公開処刑になるか」

「国益を損なったとして騎士団の精鋭ら数十人が国家転覆罪に問われて処刑されるか」

いずれかの悲劇が起こる。


そこに追い討ちを掛けるようにバルシュミーデ皇国が侵攻。

戦争に突入。


三年目。

一年続いた戦争状態に終止符が打たれる。

負けたランドル王国が滅亡するか、バルシュミーデ軍を撃退するか、どちらかにルート分岐。

ランドル王国滅亡パターンだとヒロインと攻略対象は国外へ逃げて、そこで平民として幸せに暮らす。


バルシュミーデ軍を撃退してランドル王国が平和を取り戻すと…

『時空の虚無神』に取り憑かれた男が闇魔法を暴走させて

世界そのものが超重力天体ブラックホールで消失するバッドエンドとなる。


因みにヒロインのクラリッサ・チャニングはクレーバーン公爵令嬢。

クレーバーン公爵が一人息子を亡くした後、愛人との間に生まれたクラリッサを王立魔法学院高等部へ入学させるというシナリオ。



(…随分と、実際のこの世界とは違いがあるな…)

と思ったのが、俺の偽らざる感想だ。


先ず、この世界の今現在のクレーバーン公爵はそれこそ

「ゲーム開始前に死んでる筈」

のアラン・チャニングだ。


クラリッサ・チャニングなどという人物はこちらの情報網に引っかかりもしていない…。

(名前を変えて暗躍している可能性がある)


それにバーネット伯爵領のダンジョンがスタンピードを起こしたなどという話は聞いた事もない。


最大の相違点はそれこそバルシュミーデ皇国だ。

攻略対象達の就学時期にバルシュミーデ皇国はランドル王国に行軍していない。


ゲームと同じ地名・登場人物が実在する世界、という事になるのだとしても、どうやらこの世界はゲームとは全く別物らしい。


(…しかし「ゲーム」を皇子に説明するのが難しいな…)

と、悩んでしまう。


電子メディアでのゲーム…。

この世界に存在しない道具による娯楽…。

説明しても理解してもらうのは不可能だろう。


テレビゲーム機やスマホアプリのゲームに関してはテレビやスマホ自体を理解してもらえない筈だ。


幸にして「ゲームブック」的な娯楽本がスゴロクの独り遊び形として普及してるので「シナリオ展開が複数ある物語」に関しては説明できる。


ともかく「シナリオ展開が複数ある物語を楽しむ選択制のゲーム」と言ってみて納得してもらうしかない。


リリアン嬢が寝る前に訳してくれた分だけでも頑張って意味咀嚼してバルシュミーデ語に翻訳してしまおう。


そう思って翻訳しつつ内容の意味を咀嚼する中で

俺はこれまで思ってもみなかった事を感想として思った…。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ