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35:ブルクハルト・クンツ視点11

挿絵(By みてみん)


ランドル王国の王族、複数のアザール系貴族。

彼らの処刑は公開処刑となり無事に終了した。


(リリアン嬢も見学させた方が良いだろうか)

と少し悩んだが

(15歳の子供には刺激が強過ぎる)

と思い直し

「リリアン嬢の外出時には必ず誰か付いて護衛兼監視をするように」

と指示を出して、外出を牽制する事にした。


公開処刑は当然ながら

「ランドル人庶民へ向けて罪人達の罪状を証拠付きで告発しての執行」

だった。

予定より数日遅れた。


何せ、罪人として公開処刑される貴族は先代王妃こと王太后の実家オークウッド公爵家を筆頭としたアザール系勢力。

罪状も本国アザール王国と繋がっての共謀での暗躍だ。


庶民に扮したアザール人工作員があの手この手で邪魔しようとしてくる事が予想された。

なので事前にアザール人らを炙り出せるだけ炙り出してからの公開処刑だったのだ。


「アイデンティティをアザール王国に置いたまま見せかけだけランドル人に扮した罪人どもが、他国から人を攫い、奴隷にして虐待・虐殺してきた事で、それらの犯人役の濡れ衣を着せられたランドル人が近隣諸国から憎悪され、旅行や仕事で他国へ行った先で虐殺されている現状」


それらを第三者のバルシュミーデ人が淡々と述べてゆけば…


これまでアザール系帰化人という鬼畜の悪質さを認識していなかったランドル人達は、初めこそ寝耳に水で意味が分からず呆気にとられたが…


「これまでの国際関係の不条理にはちゃんと原因があったのだ」

という事実が腑に落ちてしまえば

「憎むべきはアザール人だ」

と流石に気が付く。


事実が暴かれてアザール人達は

「バルシュミーデはランドル王国へ侵略しておいて、何故平定後に急に偽善的になってランドル人を擁護しアザール人を処罰などするのだ!」

と不平を言いそうだが…


「真の元凶を暴露する事で敵意の矛先を自分達から逸らす」

のは

「支配者側の処世術」

としては基本だ。


そもそもランドル王国内のアザール系貴族がノブレスオブリージュ有るマトモな人間性だったなら

「侵略に役立つ魔道具をバルシュミーデ皇国へ横流ししてランドル王国へ侵攻させよう」

などと考える事は無かった筈だ。


庶民の税で養える貴族の数は限られている。

許容量を超えて庶民を絞り上げれば庶民の暮らしは成り立たず

ジワジワ数が減ってゆき、最終的には根絶やしになる。


「超過搾取によるホロコーストを行おう」

とでも意図していなければ…

そもそも別勢力を国内に引き入れる事などあり得ない。


つまりはランドル王国を仕切っていたアザール系貴族達は

「超過搾取によるホロコーストをランドル人に対して行う」

べくバルシュミーデ皇国を引き入れたのである。


バルシュミーデ人がアザール人に踊らされるようなバカなら

「共にランドル人の血税を啜ってランドル人どもを根絶やしにしてやろうぞ」

とアザール人の思惑に乗せられた事だろう。


そしてアザール人に主導されながら

「ランドル人達の恨みと呪いが全てバルシュミーデへとなすりつけられ背負わされた」

事だろう。


だがアザール人が思うほどバルシュミーデ人はバカではない。


「一つの山に二頭の虎は住めない」

という摂理をこちらはよく理解している。


山の生き物を根絶やしにする結果へ誘導されるより

「一つの山には一頭の虎が住む」

状態へ持っていくのが道理だ。


バルシュミーデ人を引き入れたアザール人を、引き入れてもらったバルシュミーデ人が粛正して根絶やしにするのは単に

「根絶やしにされそうになったランドル人側の代理迎撃」

でしかない。


ランドル人が自力でアザール人らに何をされていたのかに気付き

自力でアザール人らを粛正できていたのなら

バルシュミーデの出しゃばる余地も無かったし

そもそも侵略の余地も無かっただろう。


しかしランドル人には自力で寄生虫を駆除する事が出来なかっただけでなく、そもそもが寄生虫を駆除すべき必要性も理解できておらず、寄生虫に蝕まれている事自体認識できていなかった者達が圧倒的多数。


だからこそ

「ランドル王国の上流層には寄生虫侵略者か売国奴か無能しかいない」

という事態が客観的にも明白となり


「寄生虫と売国奴と無能を一掃して、支配・施政を優秀なバルシュミーデ人で代行してやろう」

という発想がこちら側に出てきたのだ。


こうした事実と経緯をランドル人庶民らに納得させるには

「ランドル人達の敵意をバルシュミーデ人へ向けさせようとするアザール系を根絶やしにする」

必要がある。


新人冒険者を攫って奴隷にしようとしていた連中が

「バルシュミーデ人のせいだ」

と責任転嫁しようと工作していたのなど氷山の一角。


アザール人のような嘘の積み重ねで周りを惑わす誣告民族の言い分を考慮していくと世界全体が取り返しがつかないレベルまで狂ってしまう。


「実際にアザール系がどんな悪事をおこなってきたのか」

を一切隠蔽させずに国際社会で暴露するなら

「世界中がアザール人を憎み虐待・虐殺するようになる」

レベルでアザール人という人種のこれまでの所業は鬼畜である。


どんな悪行を行おうとも

「ランドル人だ」

と国籍を偽る事で国際的誣告に結び付ける。


嗜虐心も満たせて

ランドル人に濡れ衣を着せれて一石二鳥。


どんな悪行を行おうとも

「バルシュミーデ皇国にやらされている」

と無理矢理悪事をさせられたフリを装い

やはり国際的誣告に結び付ける。


そんな環境で伸び伸び悪事を行える期間が長く続いたせいでエスカレートしていたのだ。


ここ3年ほどの調査で判明した事実だけでもランドル王国のアザール系帰化人・移民らが組織的に行なってきた悪事は相当な数の犠牲者を出してきている。


それらの事実が朗々と読み上げられ

「バルシュミーデ皇国軍の王都侵攻での民間人虐殺もまた、バルシュミーデ兵に紛れ込んでいたアザール人と連合国からの帰化人らの暴走だった」

という事実が暴露される頃には


公開処刑を見に集まっていたランドル人達は

「誰が悪なのか?」

という問いに関して

「この国の悪は、ランドル人のフリをしながら悪事を働き続けたアザール人だ!」

という正解を出せるようになっていた…。


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