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暗冬輝花

《私の地上での日々の痕跡は永遠に消えることはないだろう――》


 「魔王」は詠う。


「真なる純潔は泥の中でこそ花開き実を結ぶ。そしてそれは決して朽ちることはないの。あの子は、わたしの理想――」


 朗々と告げる彼女の声には喜びの色が混じっていた。


《そういう無上の幸福を夢見て、いま、この最高の刹那(とき)を――》



 腹に大剣を突き刺され、いまにもその命が絶えようとしている巨躯の魔族に「魔王」は告げる。


「さあ、わたしの愛する人――共に往きましょう」


 沈黙していた山の如き鹿角の魔族は「魔王」の呼びかけに、再び目に光を宿した。彼は、腹に刺さった大剣を引き抜き、構える。


 それを若き魔族は苦い表情で見据えた。


「もういい、わかった……。わたしが終わらせてやる。あの子にはやらせない――」

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