しあわせ
しあわせの形とは何か。
それは本当にしあわせですか?
もし道を踏み外したとき、後悔はしませんか?
私は今しあわせだ
好きな人に告白された
夏祭りも2人で行く約束もした
私は今しあわせだ
夏祭りには浴衣着て、とびきりおめかしして
彼に会いに行く
私は今しあわせだ
彼の隣りを歩いている
彼は私を受け入れてくれた
私は今しあわせだ
彼は私の全てだ
誰にも取られたくない
花火の光に照らされて
二人の距離は縮まる
私は今しあわせだ
この時間が永遠に続けばいいのに
でも…そんなことは叶わないから
だからずっと一緒にいられたらいいのに
私は今しあわせ…
…ホントにしあわせなのだろうか?
彼が誰かに取られるかもしれない
ずっと一緒にいられないかもしれない
そんな不安に駆られ、日々不安が募るばかり
私は今しあわせなのだろうか?
どうすればしあわせなのだろうか?
誰にも取られなければ?
ずっと一緒にいられたら?
いや…両方だ
誰にも取られず、ずっと一緒にいられればいい
だから私はしあわせになるために
………
『彼を刺した』
心臓に突き立てられたナイフは赤く染まっている
私は彼の返り血を浴びながら、これで誰にも取られない…
ずっと一緒にいられる…
そんなことを考えながら
『しあわせ』を感じた
私は今『しあわせ』だ
ナイフを伝い、指先に鮮血が溜まっていく
私は今『しあわせ』だ
私は今『しあわせ』だ
私は今『哀しみ』を噛み締めている