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Palette  作者: ししゃも
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第1章 09 二人でお出かけ


 朝、楓は起きると茅野からメッセージが届いていた。

「おはようございます。10時にはこちらに来てもらって大丈夫です。歩きやすい靴がいいと思います!」

というメッセージの後にクマのスタンプが入った可愛らしい内容だった。


楓は、元々スニーカーで行く予定だったのでそこまで問題はなかったがメッセージを見て改めて茅野と遊び行くことの実感を持った。


「まさか、茅野とでかけるとは、変な感じだな。」

楓は、時計を見ると9時であった。ササッと準備をしシャワーを浴びに行った。


準備が終わると時刻は、9時50分である。そろそろ茅野の家に行こうとメッセージを送ると

茅野から「準備OK」というスタンプが届いた。

インターホンを鳴らすと茅野が出てきた。


「おはようございます。柊さん、晴れて良かったですね。」

楓は硬直した。普段制服であっているため、私服なんて見たこと無かったのであまりの可愛らしい格好に戸惑っていた。


「服、、、似合ってるな。」

茅野の服は、白いワンピースの上に淡い青色のデニムジャケットを羽織る形になっている。逆に楓の服装は、デニムのワイドパンツにベージュのジャケットを着ている。

図らずともペアルックのように似ている服装になった。


「あ、ありがとうございます。その…柊さんもよく似合ってます。」

茅野も戸惑っているのか顔を真っ赤にし、下を向いている。

「そ、それじゃあいくか。」

楓は、このままではまずいと思い、出かけようと茅野と外に出た。


「それでどこに行くんだ?ここら辺に俺は詳しくないから教えて貰ったら道くらい調べられるんだが。」


「そうですね。結構近くなのでまだ教えません。あ、バスに乗るので横断歩道渡った先のバス停に行きましょう。」

恥ずかしさが薄れてきたのか、普通に茅野は話をしてくれた。

それよりも未だに行き先を教えてくれない茅野に楓は少し不安があったが変な所に行く訳では無いだろうとバス停に向かうと運よくバスがちょうど来た。

バスに乗ると、丁度2人席が空いていたので茅野を窓側に座らせ隣同士で座った。


「茅野は、お昼何食べたい?多分着く頃には、いい時間になるん…」

意識せず楓は、茅野のほうを向いた。すると茅野も楓の方を向いていてお互いに顔が近く、茅野の目に自分が映っている。


「柊さん?どうかしました?」


「いや、なんでもない…お昼どうしようか。」

楓は、荒れる心を鎮まらせ、努めて冷静に言った。


「そうですね。目的地の近くにレストランがあるのでそこに行きませんか?」


「ああ、分かった。」

しばらくバスに揺られ、楽しそうな顔をして外をみている茅野を見て、誘ってよかったなと楓は感じた。

バスが目的地に到着すると目の前には、水族館があった。

「もしかして行きたい所って水族館?」

楓は意外な場所に連れてこられて戸惑った。

(まさか、水族館とは、いつぶりだ?)


「はい!ここの水族館のペンギンのショーを期間限定で行うらしくて面白そうだなって。」

茅野は、水族館の入口にあったパンフレットを取り、楓に渡した。

「丁度いい時間ですし、ここにあるレストランに行きませんか?」


「分かった。行こうか」

楓は、水族館の中にあるレストランに向かうべくチケットを買い、レストランへと茅野と向かった。


「ここのレストランにあるシロクマのパフェが美味しそうで来たかったんです。」

楽しそうに、メニュー表を見ながらお互いに注文する。

「茅野は、何飲む?教えてくれたら一緒に頼むよ。」


「では、ミルクティーで。ガムシロはなしで。お願いします。」


「ん。了解」

そういい楓は、店員にメニューを伝えた。

楓が頼んだのは、2人で食べれるサンドウィッチと、アイスコーヒーにした。茅野はシロクマパフェとミルクティーを頼み料理が届くのを待った。


「どうですか?水族館。まだ中には入ってないですけど。嫌でしたか?」

心配そうな顔でこちらを見てきた茅野に笑いつつ楽しそうだと答えた。


「そんなことないよ。茅野の行きたい所に行こうといったしな。水族館なんて、中々行かないから楽しめそうだよ。」


「良かったです。では楽しみましょう。」

ニコニコと話す茅野と会話をしていると料理がちょうど届き2人で水族館のパンフレットを見ながら食事をした。


レストランを出ると目の前の水族館はGWな事もあり家族連れなどで賑わっていた。

2人で人の間を縫うように進みクラゲなどを鑑賞した。

「そろそろペンギンショーの時間だから俺は先にお手洗に行ってくるよ。多分混むしな。」

「わかりました。では近くの椅子で待ってますね。」

楓は、人混みを鑑み先にお手洗を済ませるべくトイレへと向かった。

トイレから帰ると、ペンギンショーの時間のせいか人混みがさらに凄いことになっていた。

茅野と合流すべく、楓は茅野と待ち合わせしている椅子へ行くと椅子の近くに展示してあったクラゲを目で追っている茅野を見つけた。

「お待たせ。すごい人だな、はぐれないように進もう。」


「はい、ペンギンショーまで後少しです!」

2人で人混みをかき分け進もうとした時、茅野とはぐれてしまった。

楓は、さすがにこの人混みを進むのは難しかったかと後悔し、少し道を戻り茅野を探す。

すると周りをキョロキョロしている茅野を見つけた。

「茅野、悪い。1人にさせて。」

茅野は、楓を見つけると安心したのかほっとした顔をし、手を握ってきた。

「この方が、はぐれないので握っていて良いですか?」

楓は、一瞬理解するのに時間がかかったが、この人混みだしさすがに手を繋ぐかと茅野の手を握り返し、先へ進んだ。

(茅野の手ってこんな小さかったのか。てかなんで俺、手を握ってるんだ。)

楓は困惑と恥ずかしさで茅野の方を見ずに前だけ見て進んだ。

ペンギンショーの席に座ると丁度ペンギンが列に並んで出て来た。

(いつまで手を握っていればいいんだ?)

楓は、ペンギンショーを見ていながら自分の左手の感触が妙に気になった。


ペンギンショーが終わり、人が掃けてくると自然と楓は手を離そうとした。

「まだ、人多いのでこのままでもいいですか?」

茅野は、離しかけた手の袖を掴み恥ずかしそうにこちらを見てきた。

「あ、ああ、、別にいいけど。」

戸惑いながら離しかけた手を繋ぎ直し

水族館を出た。


ちょっと描きたいところが多すぎて長くなってしまったので2部構成で行います。

まとめきれず申し訳ないです。

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