第1章 08 GWの予定
次の日、いつも通り学校を終えると明日からGWになるということで教室が随分と騒がしい。
騒がしいのも当然、今年のGWは金土日月と四連休になっている。快は部活に行ったのかもう教室にはいない。
楓も茅野からの連絡で買い出しは必要ないということでそのまま下校した。
家に着き、ご飯の時間まで楓はリビングのソファで宿題をこなしていた。
18時くらいになると茅野から「もうすぐご飯です!」というクマの可愛いスタンプが来たので準備し茅野の家に向かう。
「早いですね。ご飯はもう少し時間がかかるので中でゆっくりしていてください。」
「いや、俺も一緒に食べるからな。何か手伝うことがないかと思って早めにきた。」
「お気遣いありがとうございます。そうですね、ご飯はこちらで盛り付けるので持って行ってもらえますか。」
「ん。わかった。」
エプロン姿の茅野は、こちらを見ると嬉しそうな顔でキッチンへ戻って行った。
ご飯をテーブルへ並べ終わり、茅野と2人でご飯を食べているとテレビで丁度GWの話題が上がっている。
何となく見ていると、茅野からGWの予定について聞かれた。
「柊さんは、GWのご予定はお決まりですか?差し支えなければ教えて欲しいです。晩御飯の有無の確認がしたいです。」
茅野は、食器の片付けが終わったのか楓のいるソファの隣に座ってきた。
(なんか、また距離感がおかしいような…)
楓は、GWの予定は確かに伝えるべきと思い、茅野に3日目の日曜日に出かける以外に予定がないことを伝えた。
「なるほど、日曜日だけご飯は大丈夫ということですね。」
「ああ。茅野は何か予定はあるのか?もしあるなら俺のことは気にしなくても良いからな。」
「大丈夫です。特に出かける予定もないので。」
楓は、なぜか茅野の笑顔が作り笑いのように見え、初めて会った日の無気力な茅野の顔を思い出した。
「そうなのか?じゃあ話し相手をするということだし、出かけるか?」
「え?良いんですか、、、?」
驚いた顔をして楓の方を向いた。隣に座っているからかこちらを向いた時に甘い匂いがした。
「いいぞ。特に予定を決めているわけでもないしな。茅野の好きな事をしよう。」
楓は勢いで誘ってしまったので茅野の楽しめるようできる限り意見を聞こうと思った。
「んーそですね。でしたら、お昼は一緒にお出かけして夜は柊さんのお家でご飯にしませんか?」
楓はまさかお出かけの誘いが来るとは思っていなかったが茅野がしたいことということで了承した。
「ああ。茅野がいいならいいぞ。どこに行くんだ?」
(俺はここら辺に詳しいわけではないのでここは茅野に任せるか。)
楓は茅野の意見に合わせた。
「では明日のお楽しみにしましょう。10時くらいに集まる感じで、あっ遠出ではないので安心してください。
あと、夜ご飯は明日の気分で買い出しという形でどうでしょう」
「わかった。では明日10時くらいに茅野の家に行くよ。」
「はい。明日はよろしくお願いします。」
茅野はソファにあったクッションを抱きしめながら明日の行く場所をスマホで探していた。楓は見ちゃいけないかと思い目を逸らした。
こうしてGW初日から茅野と出かけることが決ま理、楓は帰宅した。
家に着くと楓は、自室のベット倒れ込んだ。
(ふぅ、なんか疲れたな。それにしても最近ますます距離感が近いような気がするがまぁ、いいか。とりあえず明日用に服を先に出して寝るか。)
楓は茅野の変化を気にしつつ考えても仕方ないと思い、今日を終えた。
明日も更新できるよう頑張ります!!。