第1章 07 食事の申し出
19時になり、茅野の家のインターホンを鳴らす。
ドアが開くとエプロンの姿の茅野が玄関から出迎えてくれた。
(まるで…いや。やめとこう。)
楓が真っ先に浮かんだものは完全に世帯をを持つとこんな感じなのかなというイメージだった。
「どうぞ、柊さん。オムライス出来てますよ。今回はビーフシチューオムライスにしてみました。」
嬉しそうに笑う茅野を見て、楓も美味しそうだな。と相槌を打つとリビングへ案内され、キッチンからビーフシチューのいい香りがした。
「おお、これもまた、美味しそうな匂いだな。」
キッチンは綺麗に片付けられていた。
「はい。結構自信作です。温かいうちに食べましょ。」
楓と茅野は、テーブルに移りお互いに向き合う形で座ると、ビーフシチューオムライスを食べた。
「凄い美味しいな。これを俺も食べれるなんて贅沢過ぎるな。」
ビーフシチューの匂いが食欲を刺激しながら一口食べればビーフシチューのコクがトロトロの卵を一気に引き立たせる。
「気に入ってもらえて良かったです。」
茅野は、楓が美味しいと食べるのを見て安心したのか、胸を撫で下ろしていた。
そんな、茅野からある提案を申し出た。
「あの、楓さん、良かったら今後も晩御飯を私の家で食べませんか?折半で節約になりますし。それに、余り物を無くなります。」
「それは願ってもない申し出だが良いのか?昨日も言ったが別に毎日じゃなくてもいいんだぞ?」
「いえ、私としては、作る量も対して変わらないので、それに柊さん、ちゃんとしたご飯食べてないと思うので。友人が不摂生をしているのを見て見ぬふりは出来ません。」
こう言われてしまっては反論する余地もなく。楓からしてもメリットしかない提案だったので受け入れた。
「ああ、こちらとしてもよろしく頼みたい。」
「はい。頼まれました。ワガママ聞いてくれてありがとうございます。」
こうして晩御飯をこれからも共にする事になった。
今回は短めにまとめてみました。というのも前回の内容と少し似ているので、飽きてしまうかなと。そろそろgwのところも書きたいです。
それでは今後ともよろしくお願いします。