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Palette  作者: ししゃも
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第1章 05 双葉の手料理

 帰り道、荷物を持ちながら茅野と話していた。


「茅野は、普段自炊するのか?」


「しますよ。料理は得意というか好きです。ただ最近は一人で食事をするのでたまに孤独を感じることはあります。でももう慣れたので全然問題無いんですけどね。」

と少し寂しそうな顔をしながら歩いていた。

なんとなく楓は、そんな顔を見て居た堪れなくなった。


「そうなのか、俺なんかでよければ話くらいは聞くよ。ご飯くらいいつでも誘ってくれ。」


「本当ですか?では連絡先、、、交換しませんか?」

スマホを胸に持ちこちらの顔を機嫌を伺いように見てきた。


「俺のでよければいいよ。」

楓はスマホを出し連絡先を交換したところで家に着いた。

お互いに荷物を置きに行く前にご飯はどちらの家に行くべきか帰りに話し合った結果、茅野の家になった。というのも、ご飯を作るにも馴染みのキッチンがやり易いとのことで今回は招待された。

「一応、シャワーを浴びてからいくか。」

シャワーを浴び終わり、今は18時30分である。ご飯は19時との事だったので少し時間の余った楓は、ソファで休憩をした。


少しウトウトしているとインターホンが鳴った。眠りそうな体を動かし玄関へ行くと茅野がいた。

「、、、?ああ、茅野か。もう時間か?」ポケットからスマホを出し時間を確認するとまだ18時50分であった。

「いえ、そういうわけではないんです。ただ思ったより早くご飯ができてしまったので呼びにきました。」

そう言いながら、急いできたのか制服の上からエプロンを着ており、ポニーテールの髪型で一瞬だれかわからなかった。


「そうなのか。じゃあお邪魔するよ。」

玄関を出て、茅野の家に向かった。


「お邪魔します。」

茅野の家の玄関に入ると、唐揚げのいい匂いがした。

リビングへ移動すると唐揚げとお味噌汁など、スーパーで会話した献立が並んでいた。

「おお、美味しそう。それにしてもこの量を1人でとは、凄いな。」

茅野の方を向くと、エプロンを外していつもの制服に戻っていた。


「ありがとうございます。では早速食べましょう。折角の出来たてですしね。どうぞ〜」

茅野に案内され、お互いに席についた。


「それじゃあ、頂きます。」

楓は唐揚げをひとつ取った。

唐揚げには、ラー油とネギがかかっておりピリ辛でありながらネギのシャキシャキ感が食欲をそそる。

お味噌汁も白味噌で甘い味わいになっておりご飯が進んだ。

楓は、お弁当意外にまともな食事を取ったのは実家にいた頃以来であった楓は夢中で唐揚げを頬張った。


「美味しそうに食べますね。作った側としては嬉しいです。」

茅野もへにゃりと笑いながら唐揚げを頬張っていた。


「ああ、実際に美味しいしな。こんなに美味しいものを食べれるのはありがたい。」

黙々とご飯を食べ、食事が終わると、楓は片付けをしようと立ち上がった。


「片付けはするので大丈夫ですよ。こちらでやっておきます。」


「いやいや、食べさせてもらって片付けまでさせるのは申し訳ない。せめて食器の洗い物をするよ。」

楓は、食器をまとめ始めた。


「では、お言葉に甘えちゃいます。食器を戻すのはこちらでやるので、洗って貰えますか?」


「わかった。そういえばなんでスマホで連絡しなかったんだ?」

楓は、会話がないと気まずくなると感じ適当に雑談を始める。


「しようと思ったんですけど、その、、、充電が切れてて。直接行くのは迷惑でしたか?」


「いや、気になっただけだよ。そんなことよりエプロンだったから誰か分からなかった。」

今の今まで言われるまで気づかなかったのか、動きが止まった。


「わ、忘れてください、、、お願いします。」

顔を赤く染めながら、慣れた手つきで洗った食器を茅野は戻していく。


「でも、人と一緒にご飯を食べるのは良いですね。久しぶりに人の為にご飯を作りました。」

エプロンについての話題を変えるべく他の話題に変えてきた茅野だった。

楓もそれ以上は踏み込まず話を広げる。


「改めて、ありがとう。ご飯すごい美味しかったよ。また食べたいと思うくらいだ。」

楓がお礼を言うと茅野から意外な誘いが来た。


「もし良かったら、また明日もどうですか?一人分も二人分も作る時間は変わら無いので。それにいつでも誘って良いって先ほど言われたので。」

洗い物が終わり、脱いだエプロンを持ちながら聞いてきた。


「良いのか?流石に労力に見合うものが俺にはないぞ。せめてこちらで食費を出して買い物は行こう。」


「そんなわけには行きません。私からの誘いなので食費は折半にしましょう。あと何食べたいか決めるために、買い物は一緒に行きませんか?。」


「わかった。じゃあ放課後に行こうか。」

茅野に押し切られ、渋々了承した。


「はい。こちらこそ、わがままに付き合ってもらってありがとうございます。」


こうして、お互いの目的が合致しご飯を明日も共にすることになった。


現実のGWも近づいて参りましたね。

皆さんはどう過ごすかお決まりですか?私は家でゴロゴロしたいです。

それでは!


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