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だれ!?

ちょっと遅れました。


「ん?大丈夫か?なんかついてたか?」

 っ??

「んだよ。顔洗わせればいいと思ったけど、鏡見せるだけで正気にもだったようだな。」

 私は・・・、わからなかった。全てが・・・何もかもが・・・この世のことが理解不能わからなかった。

「な、なぁ。私は、、私は私だよ。」

 必死の頭を働かせたらこれしか出なかった。

「そう、だな。お前はお前だな、って違あああああう!!」

 私は誰だ。こいつは誰だ。

「どうしたんだよお前!!何があった!」

 何があった?そんなの私が聞きたい。

 だって、私は私なのに、私が見ている景色は私が見ているのに、目の前の鏡にいるのは私ではない知らない種族の奴だった。それに隣の種族と同じだ。

なんだ?なにがどうなっている?

「わ、私は――」

「そこおおおお!!!!まず、『私』ってなあにい!!」

「知らない。知らない知らない、何もわからないんだ。」

 っと、私がそこまで言うと、目の前にいた奴がッハっとした顔をしてつぶやいた。

「これは記憶喪失というやつか。これを助けたらまた俺の地位が確立されんじゃね。っくくく。」

 こいつ、敵じゃないのはわかっているから安心してたけど・・・、隣にはいたくないな。

「お前はどこまで覚えているんだ」

「どこまで、か。そうだな。私は戦争をしていた。相手は魔族だったな。あいつらは私たちにとっては難敵だ。そこで私たちは勝ち目が薄くなってきたところで少しずつ撤退を始めた。その瞬間私の意識はとんだ。その後は―――あ。・・・あああああああああああ!!!!!思い出したあああああ!!!!!」

 隣の変種は口がまん丸と開いたままで動かないが気にしない。

「そうだ。そうだ。じゅーな(?)みたいなあの性別不明の野郎のせいだあああ!!!」

 納得がいった。ここが知らない世界なのも、魔法が発動しないのも、この体がいつもと違うのも、全てが・・・、全てが一つにつながった。

 そう。私は〝入れ替わり〟というやつをしている。

 これは前例にないことだと思う。獣伝記には載っていなかった。これはめっぽいすごい・・・、ちっ、違う。私のすべきことはそんなことではない!

 私の頭の中は未だに戦争中であろう仲間たちの生存や、種族存続のことだけだ。元々この体にいた奴がうまくやっていればいいが、一刻も早く帰らなければならない。

 本気じゃなかったんだ。ここに来ることは冗談半分で祈ってみただけなんだ。

 私はそんなことを悶々(もんもん)と考えた後、隣の奴を揺さぶり意識を取り戻させた。そして、今まであったことを説明した。

 その結果・・・、

「・・・・・・。・・・・・・・。・・・・ん?・・・・ん、うん。ごめん。もっかい。」

 普通そうなるわ。


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