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元カレと飲みに行った帰りに

 週末のこと、私は梅田で待ち合わせをしている。高校時代の元カレがパッケージデザインの会社に居て私が転職したと聞き久々に飲みに行こうって。

なんで別れたか忘れたくらい平和な別れ方だったから、今でも友達みたい。


「真琴が同業に近いとはな、びっくり。会社立ち上げたら呼ぶよ」

「いやぁ、そんなキャリアないし。まだまだ模索中。」

「どう?職場は」

「うーん。ちょっと変わった人いて面白いかな。」

「うち、事務所近いし今度ランチしようよ」

「うん。」

「もう一軒!バーがあるんだ」

「あっでも終電が 無理無理―タクシー高いんだから」

「一杯だけ、ね?」


 私は半ば強引に連れられ、カズの行きつけのバーへ。

どんな店かも構うことなく、私は終電が心配でカズが頼んだ謎の甘ったるいカクテルをかなりのスピードで飲み干した。ほぼ一気飲みしてやったッ。


「やっぱり、真琴は男前だな」

駅まで歩きながら、急に酔いが回ってきた。カクテルの中身知らずにガバ飲みした自分が悪い。ハァ、、、、。

ふわふわする中、冷静を保ちバイバイしようとするも、酔ったのがバレたのか私の乗るホームまで付いてきた。


気付けば終電の電車がもうホームに待機。

私は急いで電車に乗り込まなければ―――!!。

突然去り際に私の肩を掴んだカズは顔を近づけてくる


え?なに?こんな場所で!あり得ないっって――ッ!


私はすぐにしゃがみキスを一瞬でかわせはしなかったが、チュッと、されたくらいで電車に乗り込んだ。


閉まるドア越しにおどけて手を振った。

彼は恥ずかしそうに階段へ向かって消えた。


あ゛〜苦しい.....酔いが

ふと周りに目をやるとみんなこっちみてる。

そうか、ホームでキスされ逃げるように乗り込んで来た私は.....そりゃ注目される.....。


「彼氏いたんですか?」

え?誰......

私の背後につり革を持つ、色白、血色ない美青年 森田さんだ。


「あれ?森田さん!」

今日は、酔ってないようだね。いやぁなんなら酔ってて貰った方が良かった.....さっきの見たんでしょ あなた。


「あれは.....高校時代に付き合ってた人です。」

「あぁ、そうなんですか。大変ですね。」

「.....あぁ。はい。」


「森田さんは?お出かけしてたんですか?」

「はい.....ぶらぶらしてたらこんな時間に」

え、ぶらぶらってひとりで終電はやばいでしょ.....。まぁふれないことにします。


駅についた。私は頭フラフラ足はなんとか前へ進むがかなり後悔....あの最後の一杯がなければ。くそ。

カズのやつめ、あわよくば、なんかしようとしたな!


私はやっぱりコンビニの前で止まった。

情けないこないだの森田さん状態じゃないか。


「どうぞ」

森田さんが水を買ってきてくれた。

「あ、ありがとうございます」

そのまま森田さんは、夜道に消えていった。


ちょっと、送りましょうか?とかないんすね。

そりゃそうか。

私は気持ち悪さが落ち着くまでコンビニ前のバス停に行き椅子に座った。


もう0時は過ぎている。帰らないと.....いくら中身おっさん化してても見た目は女子だ。

と、自転車に乗った森田さんが前に立つ。

は??


「夜道危ないかなと思って、自転車かします」

ちょっと待ってください。自転車かします?わざわざ自転車取りに?.....。


「あ、あの私徒歩5分もかからないから大丈夫です。ありがとうございます」

「あ、じゃ歩いて送ります」


「すいません.....たまたま会ったばっかりに」

「いえ。女性の夜道は危ないですから」


遠目に見れば女性二人に見えるくらい森田さんは華奢にみえる。私達二人とも危ないかもよ。夜道......。


「ありがとうございました。気をつけて」

再び今度は自転車で森田さんは暗闇に消えていった。

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