桃華は疑う
小説書くの難。誰か書き方教えて。
痛い。視線が痛い。
昼休み、健也と二人で昼食をとっていると百瀬さんからビシビシと刺すような視線を感じる。いや、『昼休み』ではないか、朝からずっとだ。
健也も居心地が悪そうに、不思議な顔をしている。メ〇モンみたいな顔。
「おい、駿人お前何した?」
「いや俺に聞かれても」
なお一層健也は不思議そうな顔をする。そう、きっと俺が原因じゃないのだろう。多分健也とか健也とか健也が原因のはずだ。
「健也、お前が原因だろう。俺は痴漢とかしないし」
「は?なんで俺が痴漢するような人間って扱いされてんの?は?」
本当になんなんだろうか。彼女は一体何を考えているんだ……?
結局その日は一日中桃華からの視線を受け続けながら授業を受けることになってしまった。
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「少しいいですか?」
六時限目が終わり、数分前までとは打って変わって教室がざわめきに包まれている中、桃華は駿人へと話しかけていた。
ただでさえ教室の中は少し騒々しかったのに、クラスのマドンナがスクールカースト底辺の駿人へと話しかけたことで、より一層騒々しさが増すことになった。
「え、桃華ちゃん?」
「百瀬さんどうしたんだろ。あんな奴に何か用事でもあるのかな」
うぅ、視線が痛い。ただでさえ一日中視線向けられてメンタルがすり減っていたのに……。
やめてやめて俺を見るな注目するな!
駿人のライフはもうゼロよ!!
冗談はさておき、どうしよう。今日もまた仕事だから少し急がなければいけないしなぁ。
「あーごめんね、今日ちょっと……」
「は?なにあいつ。百瀬さんより自分の用事優先すんの?調子乗ってね?」
「それなぁ。あいつやっとく?懲らしめとく?」
「桐谷、体育館裏な」
やめてくれー!!!!!!!!!
断ろうとした時そんなビジョンが頭に浮かんできた。
ごめんよマネージャー迷惑をかけることになっちゃうけど。いつかお詫びするから。
「うん。わかった。」
遅刻が確定した瞬間だった。
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人がいない場所がいいです。と言われ、空き教室へと移動した。
「それでどうしたの?」
「すみません。お時間取らせてしまいまして」
少しだけ憂鬱な気持ちになっていたが、本当に申し訳なさそうな顔をする彼女を見てそんな気持ちはどこかへ吹っ飛んだ。
「昨日、本屋でお会いしましたよね。その時シュンさんの雑誌のお話をしたじゃないですか」
「う、うん」
バレたか?と少しヒヤリとする。
内心焦りまくりな駿人であったが、そんなことをおくびにも出さず続きを促そうとした。
まぁ実際は目が泳ぎまくっていて駿人の焦りは桃華に思い切り伝わっているのだが。
「……あの時『俺の雑誌』と仰っていたじゃないですか。その発言を『俺の買おうとした雑誌だよ』と誤魔化していましたよね」
「いいいいいや、いや!誤魔化してなんかないよ!!ホントにそう言ったからね!?」
もう冷や汗かきまくり、目ぎょろぎょろである。
桃華はもう確信してるかのような表情で
「もしかして桐谷さん、シュンさんではないでしょうか」
わーお。やばいわこれ。
評価、ブクマよろしくしく