1話【プロローグ1】
タイトル通りのお話になると思います笑
【こじらせ精霊女王は、異世界の都合など知ったことではない】です(*^^*)
ある晴れた日の午後──。
「おばあさまー!」
「お話しして、おばあさま!」
バタバタと走り寄るのは幼い双子の男の子と女の子。
「あらあら…うふふ」
今日はとても天気がよく陽射しも暖かい。
窓辺で日向ぼっこをしていたのは二人の祖母である。
実際の年齢より若く見える彼女の両膝には双子がしがみついている。子供達がおねだりしているものに彼女は朗らかに笑って頭を撫でた。
「そうねぇ、今日はどのお話にしようかしら?」
「あのね!クーちゃんのお話しがいいの!」
「ボクはね、南の島のお話し!」
「あ!オリバーってばズルい!私も南の島のお話し聞きたい!」
ふたりで競い合う様にアレコレと言い合う様子を彼女は微笑ましく思う。
「じゃぁ今日はとっておきのお話しをしてあげるわ」
幼い双子はその言葉に大喜びし、瞳を輝かせた。
そんな双子の輝く瞳にひとりの少女を思い出す。
窓から見える空は晴天。
雲ひとつない青い空の遥か彼方に見えるのものに、彼女は懐かしさに目を細めるのだった。