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青春の味は甘酸っぱくて、苦くて、どこまでも甘い  作者: かいわれ大根
第一章 高槻編
8/8

恋の公式

 「いないよ」という一言は衝撃的だった。淡々と述べられたのにこっちの心は掻き乱されてる。どうしてこんなに綺麗なのに彼氏がいないんだ、これって僕みたいな一般人にもチャンスあるのかな、いやそんなはずはない男子には興味ないんじゃないか…

 色々な考えが一瞬で頭を駆け巡っては消えていった。そして最終的に残った結論は「僕にもチャンスがある」ただひとつだった。

 恋に、「可愛い人=彼氏+キープ」なんて公式は存在しなかった。もっと数式みたいに当てはめたら答えが出る存在ならよかったんだけどな。



 結局会話はそのまま中途半端に終わり、その真意を聞き出す事はできなかった。




「なあ小田島、聞けたか?」

「そんな早く聞けるわけ無いだろ?それにまだ代金のジュースだって貰ってない」

「わかったわかった、先払いするから頼む」


チャンスがある、その事実を掴んだことはまだ大島には言いたくなかった。もし本当に「チャンスがある」ならば、大島との争いは避けられないからだ。それにその闘いは僕が圧倒的に不利になる。単純接触効果(または単純接触の法則)と言って、人は単純に長い時間を共に過ごした人を好きになりやすい。これは吊り橋効果みたいに一瞬の盛り上がりじゃなく長く続く。つまり、放課後も部活動で会う事ができる大島は圧倒的に有利。まともにやり合えば僕に勝ち目は無かった。



「それじゃまたな」

「またなー」


大島に別れを告げ、また一人帰路に就く。今日は色々な事があり過ぎた。まず高槻と隣になってから初めての会話。「楽しかったからいい」と言われたのがもう数日前のような感覚だ。その後教科書を貸してもらい、代わりと言っては難だが解答を教えた。一段落したと思えばたちまち舞い込むビッグニュース。避けられない親友との争い。

こここまで振り返るだけで自宅に着いてしまった。今日の出来事は15分で振り返るには長すぎる。取り敢えずシャワーを浴びてさっぱりしよう。

次話投稿予定 8/22 21:30

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