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青春の味は甘酸っぱくて、苦くて、どこまでも甘い  作者: かいわれ大根
第一章 高槻編
5/8

学習机

「やばい、教科書忘れた」


 流石に初っ端の授業から忘れ物はまずい。しかも運が悪い事に数Ⅰの担当は生徒会顧問の阪元先生だ。絶対に後で小言を言われる…

 でもまあそれは取り敢えず諦めよう。忘れた方が悪いんだから。問題は今日の2時間の授業をどう乗り切るか、だ。問題解説の時は黒板の板書を見れば何とかできる。でもご丁寧に演習問題まで板書してくれないから演習ができない。万が一そんな時に指名されでもしたらクラス全員の前で醜態を晒すことになる。それは避けたい。せめて高槻さんにだけはそんな姿は見られたくない。

 背に腹は代えられぬ、全員の前で大恥をかくよりは…と腹を括って高槻さんに教科書を借して欲しいと声をかけようとしたその時


「小田島教科書忘れたの…?」


と先生の目を盗んでこちらを振り向いた高槻さんが囁いた。


「見せてあげるから机こっちに寄せて」


と小声で手招きする。


「ありがとう高槻、助かる」

「いいえ〜」

「本当に有難う」

「そんなに感謝しなくたっていいよ、困った時はお互い様、ね?」


そう言って彼女はまた微笑んだ。

 僕は高槻さんの優しさに甘えて自分の学習机を彼女の机にくっつけた。普段は距離が離れてるから、机をくっつけて勉強するのなんて小学校ぶりだ。高槻さんとの距離が近付いて、心なしかいい匂いがした気がした。

 そんなことを考えつつぼーっとしていたら


「小田島、今ここだよ。ちゃんと解いた?」


まずい。上の空だった事がバレてしまったみたいだ。高槻さんは洞察力に優れているらしい。教科書を忘れた事にだって僕が声をかける前に気がついた。


「嘘だ…今そんなとこか」

「まだ授業始まったばっかでしょ?なに言ってんの…」


高槻さん、お母さん??

今日の小話

登場人物紹介


高槻 実結

1年生、男子バレーボール部女子マネージャー

「顔小さいし童顔だし笑うと超カワイイんだぜ?ま、俺は今泉の方が好みだけどな!」byクラスの情報通(自称)

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