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青春の味は甘酸っぱくて、苦くて、どこまでも甘い  作者: かいわれ大根
第一章 高槻編
2/8

席替え

「席替え誰と隣になるのかな」

「俺は高槻(たかつき)さんの隣になりたいなー」

「高槻...?」

「だって可愛いじゃん」

「お前...面食いかよ...」

「は!違うし!ってかなんで夏休みなのに学校来なきゃいけないんだよ...これそのための席替えだろ?」

「仕方ないだろ特進は夏休みにも授業あるんだからさ」

「えー...」


まだ文句を垂れる大島に適当に返事しつつ実は僕も憂鬱になっていた。期末テストも終わってこれから夏休み!だなんてはしゃぐ頃のはずなのに僕等特進コースは7月末まで授業がある。何を血迷ったか学校で吹奏楽部の次に忙しいといわれている生徒会役員になってしまった僕には夏休みに片付けなければいけない仕事だってたくさんあるのに授業なんてもってのほかだ。

 大島みたいに誰か好きな人でも見つければ世界は変わるんだろうけど、僕は生徒会役員の女子と少し仲良くなっただけで好きな人なんてその片鱗すらも姿を見せていなかった。


「もしかして大島って高槻さんのこと好きなの?」

「え、いや違うし!好きとかそんなのありえないし!そもそもマネとそういう関係になるのってよくないし...」

「え、その高槻さんって男バレのマネージャーなの?」

「うん、知らなかったの!?」

「お前まさかそれ目当てで...」

「ちがうから!!」


明らかに怪しいんだよな、大島。顔真っ赤だし。

 そんな大島を羨んでいたら席替えのくじ引きが始まった。


「はーいじゃあ男子と女子それぞれくじ引いちゃってー!」


いつものようにハイテンションな上河先生がまくし立てる中くじを引いて席に座ると


「小田島くん、よろしくね!」


隣に座っていたのはあの朝の女の子、高槻さんだった!

 というかあの子高槻さんだったんだ、確かに綺麗な顔してる。おとなしくていい子そう。印象は初見と変わらなかった。これは後で大島に絞められそうだなーとか思いつつ、僕の心は少し浮き立っていた。


「小田島でいいよ、よろしく」

「私のことも高槻、でいいよ?高槻実結っていいます、これから仲良くしようねっ!」


笑いかけてくれたその笑顔は眩しくて、とても可愛かった。

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