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青春の味は甘酸っぱくて、苦くて、どこまでも甘い  作者: かいわれ大根
第一章 高槻編
1/8

プロローグ

 新たに新幹線が開通し日本海側へのアクセスが良くなったかと思えば、かたや東京では『同性パートナー条例』が可決される見通しになり話題となっていた3月終わりに、僕は3年間を過ごすことになる高校に初めて足を踏み入れた...



 別に「初めて」とはいっても過去に模試や学校見学などで何度か足を踏み入れたことはある。それでも新入生登校日にこの学校の生徒としてエントランスをくぐるのは初めてだった。僕は高校生活に淡い期待を寄せてはいたけど、特段何か人生が変わるような出来事を望んでるわけでもなかった。そんな僕は、下駄箱前のクラス編成表に自分の名前だけを見つけるとすぐに指定された教室へと向かおうとした。


「あの...1年2組ですか?」


突然話しかけられて驚いた僕は相手の顔も見ずに素っ気無く、でも丁寧に


「はい、そうですけど」


と答えると教室まで一緒に行かないかと誘われた。目線を上げると目に飛び込んできた困り顔は校舎内で迷いましたとでも言っているようだった。にしてもこの子大人しそうで綺麗だな、と思ったのはその時の僕だけの秘密。



 その後何事もなく初顔合わせのホームルームが終わり、今後使うことになる体操服や館内履きなどの採寸のために体育館に向かう。階段を上っているとすいません、すいませんと言いながら体を小さくして僕の横をボブカットの女の子が通り抜けていった。列からはぐれたのかな、まあこの学校わかりにくいししょうがないな。さっきも一人迷ってたし。たぶんだけど。

 暇になった僕は名前順で前の奴に話しかけることにした。


「なあ、大島(おおしま)、だっけか?」

「ああ、これからよろしくな、小田島(おだじま)

「さっき確かピアノ弾けるって言ってたよな」

「そんな会話聞いてたのかよ」

「たまたま聞こえちゃったんだ」


その後は音楽談議に花が咲いて、気が付いたら全ての採寸が終わっていた。まだ入学式も始まってないのにかねてからの知り合いのように気軽に話せる相手を見つけられてその日は上機嫌のまま帰路に就いた。帰り道も一緒に帰らないかと誘われたが、あいにく僕は徒歩通学で彼は3つある最寄駅の一つを使っていた。

 何の脈絡もなく、そういえば朝声をかけてきた子の名前聞きそびれたな、なんて思い出しながら徒歩30分の道のりを歩いていた。


「あの子と仲良くなれたらいいな」


そう自分が無意識に呟いていた時は少し驚いた。上機嫌だったのは大島のおかげだけではない気がしていた。

 はじめまして、かいわれ大根です。


 これから始まるお話は、小田島視点です。

 長い連載になると思いますがお付き合いいただければ幸いです。


 小説に関する疑問や質問、もっとこうした方がいいのではという意見、ここは違うだろという文句など読んだ際の感想をいただけると励みになります。どんなに小さなことでもいいのでコメントしてください。お待ちしてます。


2017/08/17記

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