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破滅の序曲~カマキリ地上へ~

少し下ネタが入ります。あと最後の方で人間が死ぬのでご注意ください

やあみんな! 今日も俺ちゃんは蟻の如く、地中を元気に掘り進めてるんだぜ!

正直めんどくなってきたぜ!

だから崩落させよう。その方が早いしね?

まあ、やるんなら本気でやろうか! そのほうが楽しいだろ!? ハハハッ!!






~ディンテス大洞窟前~



あー、無駄にドキドキするな。

こういう、女性の所に自ら向かう、ってのは苦手だ

向こうから勝手に来てくれる方が、何かと楽なんだが……


ええい、ままよ! 漢モンド、これより出撃だッ!



「失礼するカシュー師団長。入っても宜しいか?」

無駄に肩に力が入る。こうも緊張しては、不審に思われそうだが……。ダメだ、落ち着けん。

等ぐるぐる考えて居ると、何時もの凛々しい声で、中から返事が返ってきた



「どうぞお入り下さい」



「感謝する」

そう言い、布のドアを捲りテントに入る

すると、女性特有の甘い香りがする、かと思われるが、浄化魔道具特有の鼻の奥にツンとくる臭いだ

女性の部屋やテントでは、よく使われる魔道具であり、ある意味この臭いが女性特有の香りでもある



「どうしたモンド兵長。そんな挙動不審にして。夜這でも仕掛けに来たか?」

そう、クツクツと意地悪に笑う

そんな姿を見て、改めて女性には敵わないと思うと、幾分か肩の力が抜けた



「申し訳ない。女性の部屋に入るのに慣れてなくてな。 感謝するよ、先程ので幾分か余裕を取り戻した」



「ククっ、この位かまわんよ。 で、だ。貴殿を呼んだ理由を言おう」

意地悪な顔から一変し、仕事の時の顔になった。 これは俺も気を引き締めねばな



「モンド兵長、貴殿は予言を信じるか?」

そう、大真面目な顔で言われ、俺の思考は一瞬停止する

予言とはあれか? 偉大なる神が異教徒を倒せ云々のあの予言の事か?



「いや、宗教家の事は信じていないな」

そう言うと、彼女は首を横に振る。どういう事だろうか

考えても分からない為、訪ねようとした

「違うのか、では…」

「宗教家の事ではない。先代聖女様……、つまるところ、現勇者の祖母の予言だ」



先代の聖女様か、成程。 彼女は様々な斬新なアイデアで、我々の生活を良くし。更には無償で治療をしに、各地を渡り歩いたと聞く

そんな人が何を予言をしたのだろうか……

「どういう予言か、聞かせて貰っても良いか?」



「ええ、もちろん。その為に来てもらったのだから」


「その予言は、彼女が何時も、肌身離さず持っていた魔法鞄。その中から見つかった、手帳に書かれていたの」



ー暗き底より現れし異界の悪魔。それは瞬く間に世界を崩壊させるだろうー



「どう思う、モンド兵長? 私は先日、たまたま聖女様の伝記書を読んでいて、その一文を見つけたの」



「なんと……」

それしか思い浮かばない。まさか、亡くなった先代聖女様が、そんな事を予言されていたとは……!



「そして別のページにも予言されていたわ。 ー邪龍が現れ理が壊れる時、勇者は覚醒し、世界は救われるー とね」


そう言い終わると、彼女は少女の様にニンマリと笑い、更に話を続け、俺は話についていくことに神経を集中する


「偶然だと思う? 先日たまたま聖女マリエール様の伝記書を読み、今回の大洞窟の異変。 そしてソレの調査に、私が師団長に任命され、簡易鑑定の結果がコレよ?」



そう言いながら興奮しはしゃぐ彼女。それを微笑ましく見ながら、考えてみる事にした

確に偶然だとは考えにくい。この予言が、マリエール様の伝記書ではなくフォーレ教なら、俺は信用せず、彼女の頭を心配しただろう



「む……。今失礼な事を考えなかったかね?」


うぐっ、鋭い。これ以上考えるのは止めておこう

「い、いえ。そんな事は無いですよ」



「本当かね? では私の目を見たまえ」

そう言うや否や彼女の顔が近付く

うぅ、近過ぎる! 独身の男にコレは刺激が強過ぎる!!


「フフッ、生娘より初心な男だ」







~同時刻・大洞窟内部~


んっん~♪

この位で勘弁してやろう! 半径1kmくらいの空洞化で良いだろう!

後はこの残してる支柱を、魔法でパパッと取り除くだけだぜ☆

大崩落ってのをやってやろうじゃないの……

そ・の・ま・え・に♪ 穴掘り中見つけたお肉を団子にしたのを食べなきゃね!





~数刻後・師団長テント内~

「この体力馬鹿め! 軽く1回済ませるだけだと言っただろう!」



「す、すまない……」



「全く! 今は有事なのだぞ? これだから! 童貞は早く捨てておけと、兵士大将がそう言っていただろう!」



そう声を荒げる彼女に頭が上がず。正座をしながら謝るしか出来ない

そんな時、彼女の机に置いてあった魔道具からけたたましい警報音が鳴り。若い女性が入ってきた


「緊きゅ……!? キャアアアアアア!!」

そう叫んだ彼女は、叫ぶ迄の間こんな事を考えていた

(団長のテントで、下を脱いだ兵士長が正座をしてる!? え?! ナニコレ!! ていうか、団長めちゃくちゃ汁まみれじゃん!! ヤバ、兵士長!! てかでっか! うわわ)

この間約2(ミヌ)である





そんなこんな騒いでいると、突如地面が波打った

最初は小さな振動が起き、大洞窟の入口が潰れ、ポッカリと地面に穴が空いた

それを入口の隙間から見た次の瞬間、轟音と共に浮遊感を感じ体が空を泳ぐ



まるで水飴の中に居るような、空気が粘り気を帯び、体を動かすと重く纒わり付く

そんな中、俺は近くにいたカシュー師団長と魔導女史を抱え、身体強化系のスキルを全開にする





そして唐突に、元の軽く体を素通りする空気に戻る。それと同時に、地面に叩き付けられる感覚と、ブギョリという嫌な音が鳴る。



余りの痛さに叫びそうになるが、ギュッと目と歯を食いしばり我慢する。

すると脂汗がドッと溢れ、背筋が温く感じてくるが、両腕に抱えた2人の女性の確認をせねば

そう思い、目を開いた








そして、首の無い、下半身をモロ出しにした男に抱き抱えられた2人が居た






あゝ。アレは俺か。しくじった…な……

とりあえず無駄な設定

先代聖女マリエールは転生者

内政でウハウハして、税金を払いたくないので、無償の治療をするハメになった人間

あと魔導袋に入れていた手帳は厨二病ノートです

旅の移動中に暇すぎて手が滑った作品がマリエールの死後、伝記書としてまとめられました

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