花が咲く時
サブタイ変更。ミスで次回のをつけてしまいました
再びの学者回です。
あと最後に薬物的な物が出てきます。
ノクターン的なことは一切起きません。
~ファイズの街・領主館跡地~
「な……なんという事だ……。おい、そこの君! ヴァルヌス中将は帰っているか!?」
そう声を張り上げ、焦ったように近くにいた兵士に問う。
その男はDr.ノアと呼ばれる人である
サクリ王国で魔道技術部門の部長の地位に就き、今回の騒動で派遣された
「は、はい! 中将は昨日の夜遅くに到着した模様です! お呼び致しますか?」
良かった、あの堅物中将が到着していて
あの男は兵士の模範解答の様な奴だ、だからこそ、普通の上位兵士が休みたい時でもしっかりと対応してくれる
「頼む。 私が結界崩壊の原因を突き止めた、と伝えてくれ」
そう言うと、一般兵はゴクリと息を呑み神妙な面持ちで頷き
「了解しましたドクター・ノア」
そう言いながら敬礼し、足早に中将を呼びに行く
それを見送りながら、私は説明しやすい様に、準備を進めてゆく
元々、目標を拘束する為に持ってきた結界魔道具。それを分解し、中の魔術回路を露出させ
元領主館の瓦礫から発掘した、壊れた結界魔道具との違いをマーキングしてゆく
何が違うか、どう壊れているか。それを見やすいように横に並べ、あの堅物でも見て分かるように頭の中で説明をまとめる。
そうこうしていると、呼びつけた中将が駆け足でやって来た
「ドクター・ノア。原因が分かったか!」
開口一番にそう言い放ち、まるで今にも斬りかかって来そうな剣幕で、コチラに向かってくる
正直言って寿命が磨り減りそうだ。だが、そんな事はどうでも良い。早く伝えねばならん
「落ち着いて下さいヴァルヌス様。今から説明する事は、冷静に見てもらわなければなりません。いいですね?」
そう言うと、中将は目をクワりと見開き、数回の深呼吸をする
だが、君のその顔は怖いんだよ中将。目を閉じて深呼吸してくれ
「すまないな。説明を頼む」
少しは冷静になったのか、いつもの薬草を噛んだ顔になり、それを確認したため説明を始める事にする
「ヴァルヌス様、まずはこちらの一番外側の円をご覧下さい」
そう言いながら物差し棒でその場所を指し、更に言葉を続ける
「この部分は、魔力のプール部分です。この部分に魔力が満ち、溢れた魔力が結界魔法への回路に流れます」
「なぜ溜める必要がある?」
そう聞かれ、基礎からかと認識を切り替えた。 仕方ないか、相手は武官であるし、魔道具の構造には興味は無いか……。
「そうですな。この部分は言わば、数え魔級か魔災級かの判別装置です。これが無いと、その当たりにいる魔物によって、永遠に結界が張られ続ける事になります」
「なるほど。続けてくれ」
「では、今からこの回路線を擦ります。よくお聞き下さい」
そう言い、物差し棒を動かす。カリカリという、地面を擦るような音がし、中将が頷くまで続けた
「次に、今回持ってきた新品の回路線を擦ります」
今度はもう一つの方で物差し棒を動かす。するとシュウーっという刃物を研ぐような、澄んだ音で物差し棒が線を擦る
「これは……、明らかに違うな。なぜだ?」
その音を聞いた中将は、驚いた顔になり、不思議そうに首を傾げながら聞いてくる
「これはですね…………」
~世界樹のある森~
「んふふ♪ 今日は調子良いなあ」
そう言いながら、本日3匹目のヤモリを解体していく
ポテチも一緒に見つけれたし、ツキが廻って来たかな♪
「あ、綺麗なお花。……お母さんに持って帰ってあげよ!」
そう言って、桃色の線が入った淡い黄色の花を摘んでゆく
その花の名前はラ・レーヴ・シャンス、異世界語で幸福な夢とう花である
花言葉は《一時の夢・素敵な出会い・綺麗な悪夢》
少女は知らない、その花は強い魔力を近くで感知し花開く事を
そしてその花粉は、甘く蠱惑的な香りと共に強い幻覚作用と、媚薬成分を含んでいる事を
少女はその花を摘み、花弁に鼻を近づけ、香りを嗅ぐ
「いい香り……。 …………はへぁ?」




