表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

電車内には向かないお話

正義のリレー

作者: 奏似
掲載日:2026/06/01

19本目

「正義ってよくないですよね」


「んなバカな」


「まぁ百歩譲って正義がいいものだと仮定してですよ?」


「はぁ」


「欲に塗れた正義はよくないですよね」


「なんか、まぁ。例えば?」


「正義でマウントとか」


「よくない」


「正義で一方的に殴りつけて憂さ晴らしとか」


「めっちゃよくない」


「ほら、正義よくない」


「ホントだ。いや違くて。それは正義じゃなくて正義を利用するやつが悪いって話で」


「じゃあ正義は悪くないと?」


「どう考えてもそうじゃん。使う人の問題であって」


「正義は道具だと」


「うん?」


「バカとハサミと正義は使いようだと」


「ちょ待」


「理論武装、って聞いたことあります?」


「はい」


「凶器扱いということでよろしいですね」


「よろしくないわ!」


「わがままな……」


「これオレ悪いの?」


「そんなことまだ言ってません」


「……まだ?」


「ではお聞きします。凶器でないなら、正義とはなんですか?」


「正義とは……」


「3」


「え?」


「2」


「ちょ」


「1」


「論拠もなく否定するだけですか」


「いやカウントダウンはひどい」


「ひどい?悪いということですか?」


「いやそこまでは」


「私は悪くない。ありがとうございます」


「そうは言ってないんだ」


「話を続けましょう」


「聞けって」


「はい、なんでしょう?」


「…………」


「…………?」


「話の続きをどうぞ」


「はい。さて、凶器についてですね」


「違」


「はい?」


「いやもう、はい、それで」


「バカもハサミも正義も、私欲の為に使うのはよくありません」


「言い方」


「これらは承認欲求や自己顕示欲を満たしたり、ましてやマウントを取って一方的に殴りつけ、反撃しようものならそれすら攻撃材料に使って叩き潰すなど、到底許されるものではありません」


「……なんかあったの?」


「何か?」


「いえ」


「ひとたび悪と断じられたが最後、残された道は逃げるか諦めるかの二択。どちらが悪と言うべきでしょうか!」


「……やっぱなんかあったよね?」


「ありません!」


「なんかごめん一旦落ち着こう?」


深呼吸。


「まぁ、バカを使って欲求を満たそうとするのは」


「待って待って。バカの話はしてません」


「失礼、そうでした」


「なんかヤバい方向に行きかけませんでしたか?」


「まさか。さて、正義の話でしたっけ」


「まぁその、落ち着いて?ホントに」


「至って冷静不時着です」


「墜落しないで」


「失礼、沈着でした」


「不安しかない」


「さて、正義対悪なんて物語はよくありますが、現実においては正義と相対するのはおおむね別の正義ということになります」


「よかった、帰ってこれた」


「争う以上、勝たなければなりません。勝てば官軍、負ければもはやそれは悪です」


「まぁ確かにそうだけども」


「となれば、勝つために必要なのは洗練された技術です」


「うん?」


「勝つためには手段を選んでいられません。いや、違いますね。すみません」


「あ、はい」


「手段はしっかり選ばないとですよね」


「ちょ待」


「より確実に。より効果的に。マウントを取る隙など与えずにヤツを蹂躙し、共に勝利の美酒に酔いしれようではありませんか!」


「私欲!よくないって自分で言ってた」


「瑣末なことです!やられた方は一生引きずるんです分かりますかこの気持ち」


「もはや私怨」


「いいえ。これは正義の復讐です!」


「あかん。お巡りさん助けてー!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ