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7話 難所

俺は今、台本に書いてある通り倉庫の屋上にいた。

誰にも気づかれないように。

今日の台本は難しい。

四つ難所があるに加えて

追加シナリオがあるらしい

こんなことは初めてだ

追加シナリオとは簡単に言えば

“起きるか起きないかわからない事件”のことらしい

多分サプライズ演出とかそういうのだと思う

よくわからないけど、ボスのことだから

きっと面白いものなんだろう

しかも今回は時間管理まで求められる。

急がなくては

まずは“お嬢様に伝えなければならないこと”がある。

これが一つ目の難所だ。

屋根には倉庫内部を見下ろせる透明の窓があった。

俺はそこから中を覗く。

ギャングが25人。

お嬢様が1人。

そしてもう1人、茶髪のやつ。

ギャングは楽しそうに騒いでいた。

「えーと、お嬢様、お嬢様……」

指で人を辿りながら探す。

いた。

椅子ごと縄で固定されていた。

服装は俺と会った時と違う気がした。

あんなに胸が強調されてたっけ。

(ファッション?……まあいいか)

そんなことより台本だ

運が良いことにお嬢様はこっちを見ていた。

俺は台本通りに大きく口を動かしながら伝える。

真剣な眼差しだったので、俺も真剣に伝えた。

「【天井】で何か言っ【てんじょう】」

ゆっくり、台本通りに。

台本には

“この言葉でお嬢様は安心する”

と書かれていた。

お嬢様は一文字ずつ頷きながら、

俺の最後の一音に合わせて鋭い目をした。

理解できたみたいだ。

俺はそう思い、

手でいいねマークを作って屋根から降りた。

台本の予定通り。

あと5分で劇が始まる。

劇の前に倉庫の照明が一度暗転し、

再点灯したタイミングがセリフを言う合図だ。

それまでに倉庫の中に入らないといけない。

これが二つ目の難所だ。

倉庫の扉前で台本を見ながら考える。

台本には“入り方”が書いてなかった。

だが時間は進む。

あと1分。

まずい。台本通りにできない。

焦る。考える。だが作戦は一つも浮かばない。

やばい。やばい。やばい。

――10秒前。

ガララ

倉庫の扉が不自然に少しだけ開いた。

俺はそこから滑り込んだ。

ギャングは上から見たときの

お嬢様がいた場所に集まっていた

お嬢様はギャングに囲まれて見えなかった。

でも殴る音はしていた。

(殴られてるのかも)

パンッ。

そんなことを考えていると、照明が落ちた。

そしてすぐ点いた。

ギャングは俺に気づいていなかったが、

お嬢様の涙ぐんだ目が俺と合った。

「やぁやぁ皆さん。これより悲劇を喜劇に変えるショーの始まりです。 皆さんは死ぬ寸前まで……あれ、なんだっけ」

俺が話し出すと同時にギャングが俺を見た

俺は台本通りに口を開いたが

途中で分からなくなり、リュックから台本を取り出して確認する。

沈黙。

読み直して台本をリュックに戻した。

「あぁそうか。では皆殺しショーの開幕です。 どうぞ笑ってご参加ください」

俺はお辞儀をした。

これも台本通り。

次にリュックから武器を取り出す。

ボスは“妖刀”と呼んでいる。

特殊な力を持つ刀だ。

人でいう異能者みたいな感じだと思う。

どう作られたのかは教わっていない。

俺の妖刀は柄と刃が分離していて、

刃は粉みたいになってリュックの中に入っている。

柄を握ると刃の粉が俺の意思で形を作り

武器になる。長さも形状も可変可能だ

余った粉はリュックに残る。

ボスは俺の妖刀を大百足と呼んでいた。

俺がリュックより長い刀をリュックから出すと、

ギャングの一人が呟いた。

「……マジックか?」

「早く!早く助けて!助けてください!」

お嬢様が涙で叫んでいた。

(あんな喋り方だったっけ……まぁいいか)

三つ目の難所だ。

台本には

“笑わせてから斬れ”

とあった。

難しい。

そんなことを考えていると、

お嬢様の近くのタトゥー男が笑いながら言った。

「お嬢様ずいぶん丸くなったなぁ。敬語なんて使わなかったのに――」

笑ったから切っていいんだなと思った。

俺は足に力を込め、一歩で距離を詰め、首を落とした。

ちょうどお嬢様の目の前だった。

「よし、一人。あと二十四人笑わして殺したら

3つ目の難所はクリアだね」

俺はお嬢様を背に言った。

三つ目の難所は意外と簡単らしい。

ギャングは勝手に笑ってくれる。

ギャングたちはナイフを持ち俺に構えた。

あと二十四人。

笑った奴から切っていく。

その後4つの難所をクリアすれば

シナリオは終わる 一応閉幕だ

追加シナリオがあるかもしれないけど


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