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英雄は終わりを求めて旅に出る 〜死を追い求めし世界最強の冒険録〜  作者: 了静


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24 ダンジョンと再会

 朝、再び踏破したはずのダンジョンへ戻ってきた。


「あの狐と会ったのって、、29階層だっけ?とりあえず行くか」


 ここに俺の終わりはない。重い足取りでダンジョンへと入った。




 *《29階層》*


「確かここらへんに....」


 昨日吹き飛ばされた場所に来た。壁が崩れてて分かりやすい。すぐに見つかると思っていたが、、、


「あれ、ない?」


 おかしいな、ここにあると思ってたのに。ここじゃ無いなら、もっと前の階層か?


 希望がない場所に用はない。そう思っていたのに、意外と時間がかかりそうだ。


 でも、やはりここにも魔物はいない。ダンジョンの魔物は一日ですぐに新しく発生するって聞いたけど. . . .



 *《28階層》*


 まあ、あるわけないか.....

 急に、後ろから気配を感じた。


 レインはふと振り返る。


(昨日の、狐?)


 さっき通った時はいなかったはず...もしかして、いま出てきたのか?


 これまで、クリアしたダンジョンなんか興味無かった。一回きたダンジョンなんて来ることなかったから、そう言えばリスポーンの瞬間なんて見たことない。


 そんな考えをよそに、狐は俺に向かって風魔法を放つ。


「かはっっ」


 ダンジョンに鈍い音が響く。俺の体は壁に打ち付けられた。


 ただ、慣れたのだろうか、損傷が少ない気がする。


 とりあえず、期待はずれな事は確かだ。


 俺はすぐに立ち上がる。


 『ライトソーーーーーー


「何してるのよ、こんなところで」


 突然、背後から声がした。聞き覚えのあるようなこ....


 ドサッ


「....へっ?」


 その瞬間、目の前を何かが通ったかと思うと、狐は真っ二つになって地面へ崩れ落ちた。


「ちょっと、あなた大丈夫?狐野郎に吹き飛ばされ、て....あれ、あなた昨日の」


 ああ、思い出した。特徴的な赤髪に金の瞳、昨日のダンジョンに倒れてた勇者か。


「ああ、二ニアさん」

「ていうか、あなた何も傷がないじゃない。さっき狐の攻撃をくらってたわよね」


 うん?見られてたのか、それとも音と壁を見て思ったのか.....?


「いや、ちゃんと避けましたけど、、」


 とりあえず、嘘を突き通すしかねぇ。


「いや、でも壁が...」

「避けたから、魔法が壁に当たったんですよ。いやぁ怖かった、助けてくれてありがとうございました」

「ふぅーん、、」


 ・・・ど、どうだ、、


「まあいいわ。とりあえず、これで借りは返したわよね」

「はい、もちろんですよ!ありがーーーーー


 キィィィン


「ちょっと、あなた仮にも冒険者なんでしょ?少しは危機感持ちなさいよ」


 、、全く気づかなかった。後ろにまだ狐がいたなんて。それに、あの鋭い斬撃、全く見えなかった。やっぱり、さすがは勇者って言ったところかな。


「い゛ぃ?!」


 レインの腕に突然激痛が走った。


「何よ、急に...って、腕から血が出てるじゃない。一体どこで?」


 俺は痛みでなかなか声が出せない。


「あれ?これって、もしかしてーーーー私のせい?

 ちょっとまって、ごめんごめん。剣が当たっちゃったのかな、、やっぱりこれ使いにくいわね」


 痛みは全然引かない。腕にばっさり斬られた痕があった。


「いや、これくらい全然...」

「いや、そんなわけ無いでしょ。ばっさりいってるし...大丈夫?丁度包帯持ってるから、巻いてあげるわよ」


 そう言って、ニニアさんは近づいてくる。


(やばい、超回復バレる、、)


 正直、結局死ぬならこの世界への影響なんてどうでもいいし、それだけなら正体がバレても問題はなかった。でも、称号のせいで俺の行動が制限されたりするのは、俺の死処を見つけるのに邪魔でしかなかった。


「いや、だから大丈夫ですって」

「いいから、言う事聞きなさいよ」


 自分から切っといて、なんて傲慢な人だ。


 彼女は俺の腕に無理矢理包帯を巻き付けた。


「これでよしっ、と」


 てか、そんな事よりも.....


「その短剣、どこで手に入れたんですか?」

「ああ、これ?落ちてたのよ、そこの通路に」


 どう見ても俺の短剣だよな、


「それ、たぶん僕の剣なんですけど」

「え?これ、あなたのだったの?まあこんな使いにくいもの、使うのあなたみたいな人くらいだものね」


 なんか貶された気分....


 ニニアは短剣を手渡した。そして、二人は歩き出した。


「・・・ていうか、あなた、<勇者>なんですよね。なんでこんなダンジョンにいるんですか、早くもと居たところに戻らないといけないんじゃないんですか?」

「いや、それが・・・お金、持ってなくって、どうしようもないからしょうがなくお金を稼いでるのよ」


 ああ、勇者にもお金は必要なのか。てっきり、勇者っていうだけで何でもできちゃうと思ってたけど.....。


「でも、この先には魔物はいませんでしたよ」

「えっ、本当?それ、リスポーンしてないだけじゃないの?」

「ああ、確かに・・・」

「それなら、私は先に行くわ」

「わかりました、それでは」


 一文無しの勇者とか、変なの。




 ▽





 宿に戻ったレインは、宿を出る準備をしていた。


「てか、やっぱ俺って持ち物全然無いんだよな...」


 短剣に冒険服、冒険者証、お金.....うーん、かばんに全部入っちゃった。


 もう今日出てもいいくらいだけど、、ん?


 、、、痛い。腕が何故か痛い。さっきまでは動いてて気づかなかった、めっちゃ痛い。なんなんだ、これ?


 そう思いながら袖をまくる。


「これって、もしかしてーーー」



 痛んでいたのは、、、今日のダンジョンで斬られてしまったところだった。


「嘘だろ、何でまだ痛いんだよ....」




 レインは、恐る恐る包帯を剥がす。




「ーーーーーー傷が、治って、無い....」



読んで頂き本当にありがとうございました。


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