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英雄は終わりを求めて旅に出る 〜死を追い求めし世界最強の冒険録〜  作者: 了静


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20/26

19 それぞれの過去

*今回も2人の視点が入ってます。すみません。

 


  「ーーー失礼します」


 扉を開くと、そこには少し暗い顔のギルド長が座っている。


「・・お前も、見たのか。さっきの対決を」

「はい、見ました」

「何だ、驚いてはいないようだな.....ああ、お前にはレインの見張りを頼んでたんだったな、ラント」

「・・・・」


 正直、もしかしたらギルド長、いや、ライガ先生よりも強いんじゃないかとは思っていた。でも、本当に、、


「報告を頼む、あと、お前はあれをどう見る?」

「はい、レイン君はとてつもない力を持っていました。4魔法同時詠唱に、あの剣技。熟練の冒険者以上のとてつもなく強い力を持っていました。そして、・・・・・」


 俺は、一瞬言うのを躊躇った。


「それに、何だ?」

「いや、、」


 ・・・言えない。そんな事、ある訳ないと思っていたい。


「言いなさい、ラント。大丈夫、他の奴には言わない。絶対だ」


「ーーー俺、昔、<英雄>に助けてもらったことがあるんです」


「ああ、知ってるさ。もう20年くらい前か?」

「はい、俺の村が魔物に襲われたとき、俺だけ逃げ遅れて、魔物の中で1番強いやつに食われそうになったんですけど、その時、<英雄>に、助けてもらいました」


「食べられそうな俺を、庇って、抱きしめてくれたんですけど、その時、その人は噛みちぎられたのに、傷がみるみる治ってくのを見たんです」


 ーーーーーーーー〈23年前〉


「ねぇ、お母さん、おかあさん!!おかあさぁぁん!」


 男の子が1人、家の中に取り残されている。


「うわぁ〜あ゛、おがあざん!」

「ーーそんなに泣くな、男だろう」

「ふ、ふぇぇ、おじさん、誰?」

「俺?俺はなあ・・・


 『グァァル』


 魔物が男に噛み付いた。


「う゛っっ、、」

「だ、大丈夫?!おじさん!」


 片腕が噛みちぎられ、血が止まらない。


「大丈夫だ、心配ないさ」

「で、でもぉぉ」


 その腕は、みるみるうちに再び生えてくる。


「へっっ?な、何で・・」

「大丈夫って言っただろう?ほら、お母さんのところまで行こうか ーーーーーーーーーー







「そんな感じで、腕が再生するのを見たんです。衝撃で、未だに覚えています」

「ああ、それはスキルの超回復だな。俺も一度だが見たことがある。持っているのは、たしか3つの称号だけだったか」


「はい。でも、見たのはそれだけじゃなかったんです」


「何?他のスキルも見たのか」


「はい。俺が救われた後ーーーーーーーーーーーー







「おい、この子どうするんだよ」

「アベルが守っといてくれ。俺はあいつを倒す」

「おじさん?」

「大丈夫だ、あの悪い魔物を倒しに行くだけだ」


 英雄は前を向き、魔物の方へと向かう。



「お前たち、よくも村を襲ってくれたなぁ。全員、万死に値する。さあこいっ!」


  『『『『グゥァァウルァウ』』』』



 瞬く間に魔物たちは殲滅されてゆく、、。目にも止まらぬスピードで魔物たちが切り伏せられてゆく。


「か、かっこ、いい」

「ふふふっ」


 そして、残るは魔物たちの王であろう巨大な一匹の魔物のみになった。


「はぁぁぁっ」


 その時、背後から一つの影が襲った。


「○○○っっ!後ろだっ」

「おじさん!!」


 一本の槍が、英雄を突き刺した。背後にいたのは、、、村長だった。


「はっっ、わしの計画を、お前ごときに邪魔されてたまるかっっ!お前でも心臓を無くしたらどうしようもなかろう」


 英雄は、動かない。


「何も驚いてるのよ、アベル。あの人なら大丈夫に決まってるじゃない」

「ああ、すまない。ちょっと意外だったからな」


 英雄の仲間は、動じない。どうして?だっておじさんは・・・・・


 突然、英雄の胸が光った。


「眩しいっっ」


 ガキィィン


 心臓を貫いたはずの槍は、いつの間にか弾き返されていた。


「な、何をした、お前っっ、!?」

「お前が元凶か?お前が、こんなことをしたのか?」


  『ガラゥゥ、ウア゛ぁ』


 っっ!魔物がっっ


「うるさい」


 一瞬にして、魔物の首が吹き飛ぶ。


「・・・へ?お、おじさんは.....」

「あ〜あ、怒っちゃったよ」

「○○○、怒るともう止められないですからね」


「おい、お前か?村をこんなんにして、ただで済むと思ってんのか」

「こっ、これはっ、村の奴らが悪いんです!」

「へぇ、じゃあ何されたか聞こうじゃないか」


 村長の顔はさらに歪んでゆく。


「へっ?いやっ、そ、それは...」

「言えないのか?まあいい。悪魔にでもいいように使われたんだろう」

「な、何でっ、それを」

「もういい。よかったな、他に人がいて。いなかったら、どんな死に方してたか分からねぇからな。一太刀でおわらせてやろう」


 ふと振り向くと、さっきまでいたはずの女の人がいない。


「ちょっと、もうやめておいて。殺すかどうかは法律で決めるの。もう終わりよ」

「で、でも」

「で・も・じゃ・な・い」

「はぁぁ」




 ーーーーーーーーーーーーー



「こんな感じで、致命傷を負ったのにも関わらず、また無傷に戻ったんです」

「何?嘘をつけ、超回復は、致命傷を負った時点でもう回復はしないはずだろう」

「でも本当なんです。俺は見ました。絶対に嘘じゃありません」


 そう、俺は、あんな小さな頃の話なのに、昨日のように思い出す。あれがきっかけで、冒険者になったのだから。


「だとすると、英雄は致命傷を負っても死なない、いわば無敵だと言うことか。まあ、人類の守護者と呼ばれる称号だ、そんなスキルがあっても、そこまで驚きはしないさ」


「ただ、どうしてその事が今で来るんだ?英雄は今関係ないだろう」

「それがーーー俺、見たんです。それと同じ光が、レイン君から出るのを」


 ラントは真剣な眼差しで言った。


「はぁぁぁ?!ばかいえ、そんなのはお前の見間違いだろう」

「いや、そんな訳ありません。俺、見たんです。心臓を攻撃された瞬間、レインの胸の奥が光って、傷が治っていたのを」

「そんなのはでたらめだ。ラント、お前本気で言っているのか?腕を無くした衝撃で、幻想を見たんじゃないのか?」

「本気です!!」


 力強い言葉と表情に、ライガは一瞬のけぞる。


「俺は、あの時救われて、冒険者になりました。今日、再び救われたとき、この目で見て感じたのは、あの時と同じ、衝撃でした。同じ感覚だった、、俺は、俺を救ってくれた力を見間違えたりしないです」


「そう、か、、お前がそんなに言うんだな」


「っっ、すみませんっっ!ひゃ、100%って訳ではないんですよ、ただ、俺は絶対そう思うってだけで、他のものの可能性も・・・」


 やばい、熱くなりすぎた。まだ、何かの宝具とかの可能性もあるってのに、、、言い過ぎた。


「は、はははっ。いやいや、俺もその話、絶対に違うとは言えないんだ」


 突然笑いだした?


「どうしてですか」

「それがな、これは誰にも言わないで欲しいんだが、<英雄>を授かだだ男、確か名前は・・・ガイル・アリオスだったか。そいつが、ここ数年ギルドに顔を出してないんだ」

「え?それって・・

「つまり、もうすでに英雄は亡くなってる可能性があるんだ」


 その口から、衝撃の事実が伝えられた。


「で、でも、長旅をしているだけって事も・・」

「それが、ギルドだけでなく、目撃証言さえもないんだ。今、緊急で探してるんだが...」


 死ん、でる?あの英雄が?ありえない、ありえない、


「そういえは、あの子の名前って、何だったっけ」

「名前ですか?レイン君ですよ」

「ああ、違う違う。族名だよ」

「え、族名?何だっけ、、」


 あれ、そう言えば聞いてなかったっけ。


「まさか、聞いてなかったのか?」

「すみません、多分...」

「、、そうか。彼は、確かに謎が多すぎるな」

「彼は、一体何者なんでしょうか」

「わからない。でも、お前の言っている事が本当ならばーーーーーとんでもない秘密を、隠しているのかも知れないな」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 *《冒険者ギルド》*


「ええぇ〜、もう一つのダンジョンはもう攻略済み?!」


「はい、申し訳ないんですけど」

「そ、そんなぁぁ」



 とほほ、結局収穫なしかよ。もうどうしたらいいんだか・・・


 こうなったら、すぐに準備して、次のダンジョンに出発だ。スピード命!早くしないと、馬車がいなくなっちゃうじゃないか。


「急げぇぇ」


 レインは宿へと駆け出していった。




 ▽





 *《東門前》*

 よし、やっぱ荷物が少ないとすぐに準備できていいな。早くしないと。


「すみませーん。その馬車、乗りまーす」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「何?!レインはもういないだとっ!」

「はい、確認させたのですが、宿はすでに出て行った後で、もういない、と」

「じゃあ、まだこの町にいるかも知れないんだな」

「はい、それは、まだわかりませんが」


 これは最後のチャンスだ、逃す訳にはいかない。


「おい、修練場にいる生徒たち、全員呼んでこい!」

「は、はい。かしこまりました」


 今なら、もしくは、、




 ▽




「どうしたんですか、先生。いきなり...」

「お前ら、いいか、この男を探してこい。名前はレイン。レインだ」

「ちょっとまって、これさっきの男の子じゃないか」

「ああ、そうだ。まだこの町にいる可能性が高い。早く町にでて、探してきてくれ!」

「「「「「「「「はい」」」」」」」」



 さて、これで見つかればいいが・・・・






 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





「よぉし、着いた、ここがーーーーーーーーーーー









 レインの旅は、まだ始まったばかりであった・・・・・・・・・















 そして、時は流れてゆくーーーーーーーーーーー

読んで頂き本当にありがとうございました。


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