意外に美味いんじゃね?
クロがバラバラにした鹿?肉をアイテムボックスにしまいつつ後ろ足の肉を差し出してくる。
「まっさん料理してよ」
「このまま出すな、しっかり肉にしてからにしてくれ!」
蹄と皮がそのままは気持ち悪い。
「確かに」
手早くお肉をスライスしてもらう。
「調味料とフライパンと皿出しとくよ。野菜も入ってんじゃん。まっさん火はオケ?」
俺は石を並べ、薪を拾い魔法で火を点けると
「出来…た。魔法すげじゃん!」
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フライパンに油を垂らし、満遍なく行き渡らせる。
火で十分に温まったフライパンが油をパチパチと鳴らす。
そこに鹿肉?を並べ炒めていく。
ジュウジュウと肉を焼く時に鳴く音はいつ聴いても素晴らしい。念の為レアでは無くよく焼きにしていく。そして…完成
「餃子じゃね?」
それはおかしな話しだ。
俺はシンプルに焼いた。そう生肉を焼いただけだった。
しかし完成したそれは…餃子…
………
「まっさん餃子だよコレ」
俺はその言葉を無視して次の料理に取り掛かる。
にんじん、玉ねぎをスライスし、もやしを加え炒める。鹿肉と共に…
……完成
「だから餃子だよ!ステーキとか野菜炒め作ってたんじゃないのー!」
何故?何故餃子に?
それから作れるメニューを一揃い作ってみた。
しかし……
「まっさん!そんなに餃子食えねーよ‼︎」
解っている。しかし何を作るにしても完成時には餃子になってしまうのだ。
何でだよ
「あっ言い忘れたんだけどジョブってのがあるんだよなぁ。そーゆー事ね〜」
「ジョブ?」
「RPGで言う戦士とか魔法使いとか」
「なるほど。だが餃子と繋がらないんだけどどーゆー?」
「ステータス見てみ〜」
ん?俺は頭でステータス見たいと考える。
見たいと考えると言う表現が正しいかは解らん。
しかしコレで見れる。表れる?顕れる?モウワカラナイ。
「ここの角にジョブってタブみたいに出てるだろう?見て見なよ〜」
「コレね」
ジョブのページ?を開いてみる。開く?ワカラナイ
しかし見れるね〜(困)
ジョブページ?にはこう書かれていた?表示?かな?
ジョブ
料理人見習い(中華)
次のレベルまで300熟練
ランク F
ランクアップ可能レベルではありません
パッシブ 料理技能(下)
アクティブ 調理 どんな材料でも可能な結果料理を作成する
※今のアクティブにて可能な結果
餃子
俺はしばらく普通に料理は出来ない事と同時に戦闘ジョブでは無い事が判明したのだった…
詰んでね?
因みにジョブは今の時点で変更等は不可能らしい。
よしその方向はクロに押し付けて俺は料理だけ
この世界でそれ以外はなーんもしない。したく無くなった!
クロのを見せてもらおうとしたがプライバシーであると頑なに見せなかった。まぁコイツのことだから
RPGやらゲームやらで有効な何かが解ってるだろうし、興も冷めたので餃子を食べる。
「うまっ」
美味かった。美味かったのだ!
「餃子ばっかは飽きる。肉と野菜テキトーに焼くわ」
クロが調理する分には普通に料理になっていた。
調味料のかけすぎで味が濃い…
餃子美味〜米欲しい〜
て事は
この鹿肉自体は普通に食えて
美味いんじゃね?