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⑸『仮病をしよう』

⑸『仮病をしよう』



いつからか、仮病をしようと、思い始めた俺は、実際の病気にかかったかのように、どん底へとまっしぐらになって行きそうだ。それで、そのブレーキになるように、こうして、小説にして書いて居るのだ、一種のカタルシスである。



であるからして、病気から仮病に戻るための、工夫をしようと思って居るのだ。仮病をしよう、そういう始まりだったのだから、俺は、最後までこの小説を、仮病をしよう、で終わらせたい、という訳なのである。意志を通すのである。



仮病をしよう、俺はもう一度ここで、タイトルを呟き、頷いて、仮病を始める決意である。仮病をしようとは言え、簡単なことではない。俺は、小説であるから、こうして気楽に書けて居るのであって、それは事実なのである。

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