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⒅『仮病をしよう』
⒅『仮病をしよう』
㈠
仮病をしよう、そう言いたい、俺は現在、そんな風な心境である。しかしまた、闇に次ぐ闇、と言う形式であればこそ、俺は、仮病をしようを、何度も繰り返し、小説のタイトルであるから、使用してしまうのが、運の尽きである。
㈡
であるからして、俺はもう一度、声高らかに、仮病をしよう、と言うだろう。その理由は、いつかこの言葉が、神に届くと信じて止まないからである。とは言え、実は、俺は空想で、何度も神と対話しているような錯覚に陥っているのだ。
㈢
今迄の俺の小説を読んで貰えれば、確かに、神に呟いたり、神が何かを言ったりしている。これはつまり、一種の病理なんじゃないかと、思う訳だ。ただ、ここでも言うが、やはり俺は、仮病をしようと言う小説を、続けなければならないから、ディテールを説明する時間がないのである。