小さく大きな奮闘
また…!?でも、この現象のおおよその発生条件は分かってる。でも、回避できない。もしかして、友達…をつくれば…!
何回目だろ、友達が全く出来ない…そもそも話しかけることすら出来ない。諦めて引きこもろうかとも思ったけど、それじゃお母さんに心配をかけちゃうから…
「今度こそ、友達をつくる」
友達になるとしたら、やっぱり隣の席の田中さんしかいない!優しそうだし、
声を掛けなきゃ、なんて言おう…今まで話す時は答えてただけだったから
「田中さん…その、えっと、あの」
(なんだろう?大丈夫かな…?)
「どうしたの?ゆっくりで大丈夫だよ?」
「え、あ」
また無理だった…
(この感じ、力が暴発したんだ…え?)
田中りなが見たのは教室に居たはずが気がつくと自宅の自室に居たという通常ならあり得ない現象だった。ただ、田中りなには思い当たる節があった。
(何かアクションを起こさないと、考えられるのは時移さん…?分からないけどとりあえず何か…凄く不安そう…)
田中りなは時移めいを抱き締めた。
「え…」
暖かい…何だか安心する。今なら言える気がする。
「田中さん…友達になってくれませんか…?」