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違う何か
伊吹くんが男を殴り飛ばしたとき、私の意識は暗闇に落ちていった。意識はあるけど体が無い…
田中りなは伊吹やよいを容赦なく殴りつけた。
「お前、何をしていた。」
「お前は、誰だ?」
「質問を質問で返すな」
「僕はりなを見守っていた。で、お前は誰だ?」
「そうか、変な動きをしたら分かっているな。私はいつでもこの子を見ている」
伊吹やよいは不満そうに見つめていた。
「あれ、私…」
目の前には殴られた跡のある伊吹さんがいた。
「大丈夫!?」
「え、うん」
どうしたんだろう?
「やよいちゃん、りなちゃん家まで送ってあげたら?」
「怪我してるのは伊吹さんだよ?」
「そうだけどね」
私は流されるまま、帰宅した。
「りなちゃん!しっかり休んで」
「伊吹さんこそ…」
「私なんで心配されてるのかな?」
「とりあえず、よく休んでね」
「うん、ありがとう、」
「今度こそ、友達をつくる」
りなと伊吹の関係性についてですが、会話や呼び方からも分かるとおりあまり仲が深いというわけではないです。その理由はりなが男性が少し苦手という点にあります