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21.暗転

 


「良い匂いだな」

「あ......お、おはよう、ございます。お兄さん」

「今日は米か。良いね」


 炊飯器から香る白米の匂い。それと、焼魚。


「鮭か」

「き、昨日、スーパーで安かったので......」

「なるほど。何か手伝おうか?」

「あ......えっと、大丈夫です」


 きょどりながらも妹はスピーディーに工程を終えていく。あっという間に朝食の用意が終わり、妹も席に座った。


「「いただきます」」


 二人の声が重なる。そして妹は箸を持ち上げ、固まる。これはいつものことで、ジッと俺の方を横目で見ている。

 鮭の身を崩し口に運ぶ。俺は小さく頷いた。


「うん、美味い。美味しいよ、妹」


 ぱぁ、っと笑顔になる妹。


「よ、良かったです......へへ」


 そう言うと、止まっていた彼女の箸が動き出す。妹が食事を作ると毎回俺の反応を見てから、自分も食べ出す。


「妹は魚好きなの?」

「......は、はい、好きです」

「そっか。寿司とかは好き?」

「だ、大好き......!」


 こくこくと頷く妹。鼻をフンスと鳴らした。マジで好きなんだな。


「......で、でも、ウチはお金無かったから......あまり食べれ無かったです.....」


 しょんぼりとする妹。


「なるほど。ちなみに妹って何のネタが好きなんだ?」

「ね、ネタですか......エビ好きですね。あと鯛......」

「あー、美味いよな。エビも鯛も」

「......お兄さんは、何が好きなんですか」

「ん、俺か。俺はサーモンと......」


 その時、視界が揺れた。ぼんやりと霞む目。味噌汁の器を手に取ろうとして固まる。


「?、お兄さん?どうしました」

「あ、いや。イカかな」

「......あー、サーモンもイカも良いですね」


 びっくりした。すぐにおさまったけど、これヤバいか?思っている以上に疲労が溜まっているのかもしれない。学校で仮眠するか......それともいっそ休んでしまうか。


 妹がぱくぱくと白米を口に運ぶ。前から思っていたけど、本当美味しそうに食べるな。前髪の隙間から覗く目が俺と合う。


「な、なんですか......咀嚼音、うるさい?」

「いや、違うよ。美味しそうに食べるなって思ってさ」

「お、美味しい、です」


 学校休んだら妹に心配をかけるんじゃないか。それはダメだ。学校は休めない。


「あ、そうだ。防音室」

「......?」

「VTuberやるなら防音室ないとな」

「無いとダメなんですか」

「あるのとないのじゃ声の出し方違ってくるだろ。今は父さん母さんがいないから良いけど、帰ってきたら......配信してるのを二人に聞かせられるって言うなら別だけど」

「......い、いやです」


「だろ?それに意外と家の外に音が漏れてるかもしれんし。苦情になったりしたら困るからな」

「そうですね......でも、防音室なんて......高価なもの」


 しゅんとする妹。


「大丈夫だ。この間キララママが余っている防音室をくれるって言ってた。だからそれを貰おう」

「ええっ!?」


 まあ、俺が普通に買うだけだけど。じゃなきゃ妹は遠慮して嫌がるだろうし。余り物というていなら抵抗感少なめだろう。自分で言っといてあれだけど、防音室余ってるってどういうこと?


「そ、そんなの......悪いです」

「いや悪くない。防音室ってわりと大きいから置いとくのも邪魔なんだよ。だから貰っておこう」

「......そ、そうなん、ですか......」


 妹はそう言うと二、三回頭を横に揺らした。何それ可愛い。


「なんか、私、たくさん助けられてます。......VTuber、がんばろっ」


 グッ、と両拳を握りフンスと鼻息を荒げる。何それ可愛い。


「うん。頑張ろう」


 食事を済ませ、出かける準備を終える。妹は先に家を出たので鍵をしめて出かけなければならない。俺はPCの電源を落とす。


「よし、行くか......」


 鞄を肩にかけ階段を降りていると携帯が鳴った。一通のメール。差出人は愛衣だった。


「......今日も四人で登校しました。蓮と舞花がガードをがんばってます、か」


 俺が蓮達と始めて会ってから一週間が過ぎた頃、街でたまたま愛衣と会った。買い出し中の俺を見かけてつい話しかけたそうだ。

 それから蓮と舞花が妹をいじめから護っているという話を聞きき、何かあったら連絡させてほしいと言われ連絡先を交換した。


 それからメールマガジンのように毎日メールが届くようになった。まあ、正直俺も妹の学校での様子は気になっていたからありがたい。


 妹から聞く話でも四人で仲良くやってるみたいだし。......未だに会話はできないみたいだけど。


「わかった、いつもありがとう......と、返信」


 ブブっとすぐにまた携帯が鳴った。差出人はまたしても愛衣だった。


『いえいえ。お兄様の意のままに、いつでも愛衣をお使い下さい』


 ......何を言ってるんだこの子は。メール終わりに毎回妙な一文をつけてくるんだけど。愛衣ちょっと別の意味で心配になるな。


(と、遅刻しちまう......行かないと)


 靴を履き、立ち上がろうとしたその時。


 意識が途切れた。


 ――ドサッ




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