学校の不祥事等とその人数について一考
報道を見ていると、教師の不祥事がよく取り沙汰されている。気になったので深掘りしようと調べたら、文科省のHPに人数が公開されていた。(令和元年度版)
その数字を見る前に、まずは教員全体の人数である。
ざっくりと
小学校はおよそ42万人
中学校はおよそ25万人
高校はおよそ23万人の教員がいる。
そして不祥事等で処分を受けた人数は以下になる。
●懲戒処分等を受けた教育職員は、4,677人(0.51%)で、 平成30年度(5,978人(0.65%))から1,301人減少。
●体罰により懲戒処分等を受けた者は、550人(0.06%)で、平成30年度578人(0.06%)から減少。
●わいせつ行為等により懲戒処分等を受けた者は、273人(0.03%)(平成30年度282人(0.03%))。
※うち、児童生徒に対するわいせつ行為により懲戒処分を受けた者は126人
これらの人数を多い少ないということは簡単に言い切れない。少なくとも体罰とわいせつ行為には最低でもこの人数と同じだけの児童生徒の被害者がいるからだ。年間で700人もの子どもたちが被害にあっているというのは胸が痛い。
さて、この統計からわかることが2つある。
①処分者は減っている
②体罰、わいせつ教育は減ってない
単純に処分される人間自体は減っている。パーセンテージもそうだが実際の人数が千人単位で減っていることからもそれは伺える。一方で、処分人数の減少率に比べると体罰、わいせつ行為の減り率は明らかににぶい。というか、比率でいうと減らないほどである。これは、体罰やわいせつ行為というのは辞めさせようとしても容易にはいかないことを示唆している。
体罰は権力を握って高圧的に行う快感がある
わいせつ行為はそもそも再犯率が非常に高い
ということなのだろうか。再犯での処分かどうかが統計では見つからなかったのでなんとも言えないが、この数百人のうち何人が同様の処分を受けているのかが非常に気になる。もしも同じ行為での処分ならば教員不適合として教壇に立たなくすることはできないのだろうか。性犯罪行為については、国会でも議論して再就職できなくしようという動きがあるので、一刻も早く実行して欲しい。
同じ統計の並びにこんなものもあった
●教育職員の精神疾患による病気休職者数は、5,478人(全教育職員数の0.59%)で、平成30年度(5,212人)から増加。
ただの病気や怪我での休職ではない。精神疾患によるものだ。年間でこれだけの人数が心を壊して現場から消えている上にその人数が増えている。
これで本当に、日本の教育は大丈夫なのだろうか。
参考
令和元年度公立学校教職員の人事行政状況調査について(文科省)
平成30年罪種別犯行時の職業別検挙人員(警察庁)
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