第4話
恐る恐る目を開ける。
「あ、れ…?」
なぜか刺されていなかった。
痛むのは最初に刺されたところだけだった。
「う…」
やはりまだ痛かった。
それもそうだろう刀なんかで初めて刺されたのだから。
しかし一体なぜ…。
上を見上げると、1人の男の人が立っていた。
「貴様!」
チャラ男が声を上げて言った。
「一般人を巻き込むのは如何だと思うが」
「ちっ!」
カキン…
よく見るとあの男の人は刀を持っていることに気づいた。
「だいたい、てめぇがなんで人助けなんかしてんだぁ?」
「お前に教える義理はない」
「組織は違えど同じ仕事をしている。なのに、何故!?」
「教える義理はないと言っただろう」
そんな会話を聞きながら意識が遠のいていくのが分かった。
こんな訳の分からない場所で死ぬのか。
そんなのまっぴらごめんだ。
あぁ、どんどん意識が遠のいていく。
そんな意識が遠のいていく中、2人の会話を聞いていた。
「お…え……な……しき…うら……………た」
「お……は……あの…ひ……かん…え……た…………お…う」
「そ……な…こ……でか!?」
最後私を助けた人がなんて言ったか分からない。
2人の会話を聞きながら静かに目を閉じた。