表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生きている

作者: odayaka




 もしも、俺がこの世界に生まれ落ちていなければ。

 きっと、この世界は存在しなかったろう。

 この世界を俯瞰で見ることが出来る場所からは、この世界など何の価値もない場所だったに違いない。


 俺が気に入らないあいつは生まれ落ちていたかもしれないけれど。

 けれど、何の価値もありはしない。

 この世界に俺と言う個が存在しないのだから。


 鼻で笑うような妄想だと、価値あると思い込んでいる人たちは言うかもしれない。思うかもしれない。

 けれど、逆に笑ってやるさ。

 俺のいないこの世界にそこまでの価値なんてないよ、って。





 この世界に溢れるどんなドラマも。

 俺がいない時点で無価値に過ぎない。


 総じて皆道化と同じだ。

 おかしな化粧で玉に乗っている。


 誰かを笑わせようとしているけれど。

 誰も笑っちゃいないんだ。


 そこに俺がいなければ。

 血の通わぬ世界の中で生きているだけに過ぎないんだ。





 俺は生きている。

 この世界に生きている。


 だから、この世界も生きている。

 それでようやく、この世界は生きていけている。


 誰も気づかない内に。

 誰も知らない内に。


 俺が生きていると言うそれだけのことで。

 この世界はようやくに生かされている。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ