不審者だと、思いました。
結構前に書いて、続きを全然思いついてない作品を、とりあえず投稿して、これから続きを考えよう、という無理ゲーに挑戦してみようと思います。
どうせ閲覧者少ないしいいや。という気楽さからであり。
夏の暑さにうだされた末の奇行だったり。
続きを投稿する時は、あんまり時間軸を気にせず、GJ部方式で書いていきますので、ご了承を。
庭に女の子が落ちてました。あなたならどうしますか。
心の中で、質問を投げかけてみた。回答は、聞こえない。そりゃそうだ、俺自身が思いつかないのだから。
ただ、それが仮定的な話だったとしたら、俺は、警察を呼ぶ、という、現実的な手段を回答するだろう。
だが。
俺は、今一度、ぎゅっと目をつぶり、もう一度開けた。
「………いるんだよなぁ、現実的に」
庭の方を向いて縁側に立った俺は、呟いた。
仮定の物事というのは、実際起こってみないと、どういう行動をするのかわからないものだ。実際、俺は、庭にうつ伏せに転がっている女性………だとは顔が見れない以上断定はできないが、頭髪が白い以外、ところどころ露わになっている肌の様子や、着ている着物、体格から、少なくともそれほど高齢ではなく、男性でもないだろうと思われる人を見て、すぐには、手に持った通信機器で一と一とゼロを押そうとは思えなかった。
どうしよう。声にならない声が、俺の中でむなしく反響する。決まっていたはずの回答を、なぜか、実行に移せない。
通報してしまえ。少なくとも、俺の知る誰かではないし、情けをかける必要はない。しかも今なら、不法侵入で突き出せる。相手に言い訳の余地はない。
そんなヤジが、どこかから聞こえる。聞こえはしたが。
本当に、そうする?
という、圧倒的多数の声に、かき消される。ならどうするんだ、という声は、聞こえないのに。
このまま起きられてしまうのが一番まずいことは明確だ。連れ去られてここまで来ただのなんだの言われたら今度はこっちに言い訳の余地がなくなる。そこまで最悪の想像をしなくても、とりあえず、起きたら何を言うかわからないのが、怖い。
………決めた。起きる前に電話をかけよう。
一。
本当に正しい選択か?
一。
わからない。わからないから、通報し終えたら、このことは忘れよう。
ゼロ。
と、押す直前だった。
「ん………んぅ………」
電話をかけるのが遅かった。目の前にいる、少なくとも人ではあろう何者かが、うめき声をあげながら、わずかに身をよじったのだ。
「………か、す………」
何か、言おうとしているのか。どうやら、意識がもうろうとしているらしい。身をよじり始めてから、まだ起きる気配がない。
「………おい。もう起きてんだろ。何が言いたいんだ」
俺は、ついに、目の前に転がっている女に、話しかけた。
「………、すい………」
女の声は、しかし、一向にはっきり聞こえはしない。
それほど、意識が薄れていて。それほど、意識がたとえほとんどなくても、口にしてしまう何かを、今、女は言っているのだろうか。
俺は、一瞬、手元の、通報しかけの通信機器に目を落とした。それの電源を落とし、素早く、部屋着のジャージのポケットにしまった俺は、縁側の下に置いてあるサンダルを履き、転がっている女のところに歩み寄った。
うつ伏せに転がっている女の、肩をつかみ、仰向けに転がす。俺は目を見張ることになった。
女の子だ。高校生くらいの。
透き通るような肌。白い髪は地毛なのだろう、長く生えそろったまつ毛も、細く整った眉も、同じ色をしている。
官能的に少し開いた唇から、漏れ出す声を聞こうと、俺は、女の子の口に耳を寄せた。誰か、大切な人の名前でも言ってるのだろうか。
「………おなか、すいた………」
「ただの空腹かよ」
俺の、目の前の女の子を見る目が、一気に冷めた瞬間であった。
まだ出会いのシーンなので、わからないことも多いとは思います。
続きは、近いうちに書きます。
これの前に投稿した作品の続きは、いつ投稿するかわかりませんが。




