表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

ハジマリ

すみません。ぐだぐだです。

その日の昼下がりは、恐ろしく眠かった。小梅は目をこすりながら、授業などは一寸も耳に入らなかった。不思議な香りがする。この香りのせいか。


「ねぇ、何だか、いい香りがしない?」

隣の席の海ちゃんの羽をつついた。海ちゃんはうつらうつらしている。たまに、可愛らしい嘴を机にぶつけて、はっと目を開ける。

「うん…んっ…?小梅ちゃん、磯の香りじゃないのは確か…。あれっ…?」

「海ちゃん、南極の夢でも見てたの?」

小梅はくすくすと笑った。

「うん…。思えば、あたし、本当にペンギン社会には向いてなかったっ。ここに来られて良かったっ…!…やれやれっ。」

「一体どんな夢だったの?」

「あたしが、ペンギンしてた頃の夢。」

今も、姿はペンギンそのものだけれど。


「ミュゲノート。」

小梅の前の席の桐子さんが、ふっと振り向き、ささやいた。

「え?何て言ったの?」

「なにそれ!何語っ?」

桐子さんは、このクラスでも数少ない人間の一人だ。ツンとしてて、同じ人間だけど、小梅とはあまり話さない。大人っぽい雰囲気で、サラサラの髪に綺麗な顔立ち。小梅はどうも気後れしてしまう。

「スズランの香りのこと。…ミュゲノート。フランス語。」

もう一度、彼女は遠くを見つめながら呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ