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黒い尻尾が示すもの

一つ目のお願いを叶えた後の小休憩

扉の先はまた真っ暗なあの部屋で

スポットライトの代わりにアンティーク調のライトとソファーがひとつ置かれていた。


「いや〜1つ目のお願いどうでした??他人だと思い込むことで甘えなかった《お母さん》に会いに行った感想は??」


満足げにヒゲをピンと立てた黒猫は今にもゴロゴロ言いそうな顔で私に尋ねてきた。


「…なんかその顔ムカつく。」


正直、あの人…お母さんがあんな気持ちで泣いているなんて思ってもみなかった。

私が死ねばよかったなんて

そんな言葉聞きたくもなかった。


「いや〜けど、行ってよかったですね!あのままじゃあの人すぐにでもこっちに来ちゃいそうでしたもんねぇ〜。あの人、元気になれるといいですねぇ〜」


一つ目のお願いの達成感からか黒猫は饒舌で今にも鼻歌でも歌いだしそうな顔をして告げる。


とりあえず黒猫のことはスルーしてソファーに座って次の願いについて考えてみる。


…だけど…


「あれれ?もしかしてお願いするの怖くなっちゃった感じですか??たまにいるんですよねぇ〜一つ目のお願いを叶えた後もうイイからあの世に連れてってくれって言い出す人!」


グッと距離を詰めて黒猫は大きな瞳で私の心を見透かしたように言い出す


「…なんでよ。別に三つ叶えなきゃいけない訳じゃないでしょ?それに私そんな事言ってないし何も言ってないじゃない。」


心を見透かされたような気がして思わず言い返すと黒猫は怪しむような顔をしながら向かいのソファーに腰掛けた。


「じゃぁ、二つ目のお願い思いついたんですか??」


肩のストレッチをする様な(猫だからなで肩なのに!)格好をしながら黒猫は少しめんどくさそうに尋ねた


「…学校に行きたい。」


一つ目のお願いをした時と同じ様に黒猫はおおきな瞳をさらに大きくして向き返った


「え?今…学校に行きたいって言いました?学校ですよ??いいんですか???」


黒猫は何度も学校に行くのかと確認してくる。



多分当然の反応なんだろう。

私にとって学校は《そういう場所》なんだから



「もしかしたらさ、私なんて初めから居なかったように学校生活は続いているかもしれないけど行ってみようかなって。…まぁ、お母さんみたいに悲しんでくれている人はいないと思うけど」



少し自虐的な笑いが込み上げてきた。自分で自分をここまで酷く思えるなんて考えたこともなかった。


それでは…と黒猫は姿勢を正して


「死者・望月沙羅の二つ目のお願い!学校へ行きたいを叶えましょう!!」


と大きな声で宣誓した。

次は学校へ行きたいというお願いになりました。一つ目のお願いと話がかぶらないようにしたいと思っていますが…なかなか難しい

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