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ねえ、好きだったんだよ。

作者: 詠花

ねえ ハルくん。


好きだったんだよ。知らなかったでしょ。


私、幼稚園の年中さんの時、ハルくんに「好きなんだけど」って言ったの覚えてないでしょ。

小学生の時も、6年間ずっと好きだったのに、ハルくんは同じクラスの可愛い双子の妹のことで頭がいっぱいだったんでしょ。

私だって、幼稚園からの幼馴染グループの一員だったのに。一緒にみんなでキャンプもプールも行ったのに。お祭りでだってバッタリ会ったのに。




小5の時。


朝からソワソワして いつ渡せるかな?なんて考えて、放課後までグズグズ行動できずにいて、雪が降ってる外を教室の窓から見たら、校門のところでハルくんは双子の妹のユキちゃんからチョコレートをうけとる場面を目撃してしまった。

がっくりうな垂れて、いつまでも教室に残っていると、「おーい、早く帰りなさーい」と先生の声が聞こえて、慌てて帰ったんだよ、知らないでしょ。もちろん、チョコは自分で食べたからね。


ニカって笑う顔が大好きだったよ。

小学校の卒業式終わっても結局、言えなかったけど。


中学は別々になっちゃって、たまに幼馴染グループの親がママ友会するときに子供も集まったけど、ハルくんは全然笑わなくなったね。すっかり硬派な男の子になっちゃって。




「えぇっ!? ミナって39キロも体重あるの?!」


小6の時、友達が大きな声で私の体重バラしちゃったときも、


「三枝、そんな太って見えないよね」ってハルくんが言ってくれたのすっごく嬉しかったよ。なんでかな。そんなに褒められたわけでもなかったのにね。



高校生になって、地元の友達からハルくんに一個上の彼女が出来たって聞いたとき、やっぱりハルくんは、さすがだなって思ったよ。私は、ハルくんがお姉さまに気に入られる顔だって分かってたからね。




大学生になって、社会人になっちゃって。

やっぱり会っても何にも私の思いは言えずじまい。

お酒の力に任せて、口が滑っちゃえばいいのにって思ったこともあったけど、言わなくて良かった。お酒に強くて良かった。




私は相変わらずだよ。

未だに彼氏いない歴=年齢です。眼鏡だって昔のままかけてます。

ちょっと変わったのは、髪の毛を染めてみたくらい かな。


ねえ、ハルくん。

ずっと好きだったんだよ。草葉の陰とは言わないけ ど、こっそりとお慕いしてました。ずっと。


こんな友人として末端の私にまで、招待状を送ってくれるなんて、やっぱりハルくんは、さすがだな。


またいつか、ニカって笑ってるハルくんの顔を遠くからでいいから見たいな。


いつになるか私にもさっぱり分からないけど、

招待状送るから、来てくれるかな?


ハルくんは、初恋だけど憧れだから。綺麗なまんまで終わらせてね。とか言いつつ、何も行動してないけどね。



幸せになろうね。お互い。

私はまだ未定ですけどね。



ではまた。


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