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乙女ゲームみたい

壊れかけの世界で④

作者: きぃ

さて、私は今どうしようか迷っています。


つい先ほど、姫宮 茜さんに『ふざけないでよ‼︎』と叫ばれましてどう反応を返したら良いのか考えているのですよ。


まぁ、普段ならば言葉を選んで相手に間違いを正させるのですが、今回は目的がありますからね。


容赦なく言わせてもらいましょうか。


「ふざけないでよ、とはこちらのセリフです。私はたった今『質問はありますか?』と聞いただけです。別に何もふざけたことは言っていませんが。それに対してあなたはどうですか、質問がないにもかかわらず勝手なことを叫びまして、少しは常識というものを考えたらどうですか?」


「何よ、あなたにそんなこと言われる筋合いはない‼︎」


「私も言われる筋合いはありませんが?」


「そもそも、あなたこそ一般生徒のくせになんでこの総会を進行してるのよ。この総会は、本当は私の役員発表の場だったのに‼︎」


私の言葉に苛立ったのか、姫宮さんは普段からは考えられない態度を見せていた。


いや、普段が偽りの姿なのだろうから素に戻っただけだろう。


おかげで周りが見えてないのか、皆さんの目が変わったことに気づいてない様子。


まぁ、とりあえず姫宮さんの言葉に応えてあげましょうか。


「役員?あー、あの《生徒会補佐》のことですか?」


「そうよ。私はその役員発表のために今日の総会に出席したのよ。それなのに、あなたの所為で台無しになったじゃない‼︎」


「一つ訂正ですが、《生徒会補佐》は役員ではありませんよ。ただのボランティアです」


「嘘よ!」


「嘘ではありません。まぁ、つい最近までは確かに役員として枠はありましたが一昨年ぐらいからその枠の必要性が無いことがわかりましてね、役員としてではなくボランティアとして扱うことになったのですよ」


まぁ、実際は補佐になった人が『生徒会の仕事が』とかなんとか言ってサボっていたらしく、去年から無くなったんですよね。


補佐はあくまで補佐、必要なとき以外はいらないですから。


「あなたが何のために補佐に立候補したかはしりませんが、役員ではありませんので覚えといてくださいね。あ、それからあくまでボランティアとしてですから仮に補佐になったとしても生徒会特権が適応されませんのでその辺は理解してくださいね」


「な⁉︎…何よ、そんな話聞いてない。違う、こんな話じゃなかったはずよ」


驚いた声が聞こえたと思ったら、今度はブツブツと何かを呟き始めてしまいました。


ここからでは何を言ってるのか聞こえませんが、彼女の周りの反応を見ているかぎり理解し難いことを呟いてるみたいです。


まぁ、どうでもいいんでさっさと幕引きにしましょうか。


「本当はこんな場で言うはずではありませんでしたが、折角なんで伝えときます。姫宮 茜さん、あなたには一ヶ月の停学処分をうけてもらいます」


「はぁ⁉︎なんで私がそんなことしなければならないのよ、何かの間違いよ!」


「心当たりがないとでも」


「あるわけないじゃない!」


「そうですか、ではこちらをご覧ください」


そう言うと、後ろのスクリーンにある動画が流れ始めた。


そこには姫宮さんが学校内で人目も気にせずにやりたい放題な姿が映っていた。


「どうですか?これをご覧になってもまだ認めないと」


「認めるわけないじゃない、私はこんなことしてない!」


「そうですか。あ、そういえばこの間先生方にイジメの件で相談されたらしいですね。それに関して面白いものが撮れましたのでそちらもご覧になってください」


再びスクリーンにある動画が流れた。


そこには姫宮さんが自分の教科書や体操服などをハサミで切り裂いてる様子が流れている。


因みに顔までバッチリ映っているのですが、その顔がとても生き生きしてまして、生徒のほとんどが引いていました。


「と、ここまではっきりと映っているのですからいい加減に認めてください。時間の無駄です」


「知らない…私じゃない。やってない…。誰かが仕組んだんだ」


又、ブツブツ言い始めましたね。


いくら総会といってもそろそろ時間なんですが…。


と、私が時間を気にし始めた時姫宮さんは私に指をさしながら叫びました。


「あなたが仕組んだんだ‼︎じゃなければ私がこんな目に合うことはなかったんだ‼︎私の幸せを返してよ‼︎」


人に指をさしてはいけないと習わなかったんですかね。


あ、常識なんて無い人でしたね姫宮さんは。


「まぁ、あなたが何を言おうと決定は変わりませんから、一ヶ月きちんと反省をしてきてくださいね。もし反省のいろが見慣れない場合は最悪退学になりますのでそのつもりでいてくださいね」


「あなたにそんなこと…「出来ますよ」⁉︎」


「だって、私は監査ですもの」


「監査だって、そこまでできるわけない!」


「出来るんですよ、私の監査対象は学園全体。学園にとって不適切なモノを処分するのが私の仕事ですので」


その言葉を聞いた姫宮さんはついに諦めたのか黙って俯いてます。


物分りが良くて良かったです。


「では、これにて本日の総会を閉会します。次の総会は一ヶ月後にやる予定です」


これにて終了です。




さて、いろいろありましたがついに一ヶ月が立ちました。


生徒会は頑張ったみたいなので役員交代はないでしょうね。


そういえば、これを機に副会長が会長を目指してたみたいですけどどうなることやら、今から楽しみです。


風紀委員会も役員交代はないでしょう。


柄にはないくらいあの人も頑張ってたみたいですし。


まぁ、もう少し本人の服装をどうにかして欲しいのが願いですが、その辺はひとまず保留にしときますか。


先生方の処分も今回はないみたいです。


流石に次はないみたいですが。


あ、そういえば姫宮さんは学校を辞めてしまったみたいですね。


総会の後保護者に引き取られたみたいですが、何故か精神科に通わされたみたいですよ。


『ここは私のための世界なのよ!だから私はみんなに愛されるべきなのよー‼︎』


と、ずっと言ってるみたいなので学校に復帰するのは難しいとのことでした。


まぁ、私にとってはどうでもいいことです。


ですが、早く目が冷めればいいですね。


周りのためにも、そして、自分のためにも。



さあ、今日も仕事をしましょうか。


学校の安定のために。

終わりました。ここまで読んでくださり、ありがとうございます。分かりにくかったらお知らせください。改善を行います。

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