摩耶の声
集中治療室で眠る少女の横で
「摩耶、絶対に助かるから、安心して。絶対に助けるからね。それとね、私たちはずっと友達だよ。今回のことで、摩耶のこと絶対に見放したりしないからね。」そう言って凛は、摩耶の手を握った。すると摩耶の目から、涙があふれ出た。
「ありがとう、凛。」凛の耳にはそうはっきり摩耶の声が聴こえていた。
「ねえ摩耶、初めて会った日のこと憶えてる?摩耶はぼっちで寂しがり屋で、ずっと私たちのこと見てたんだよね。放課後仲良く下校する私たちの方を恨めしそうに見てたんだよね。だから、成美が『一緒に帰ろう。』って言った時、弾ける様な笑顔で答えて、私もあの時の摩耶の笑顔忘れられないよ。」すると摩耶は少し微笑んだ様に見えた。
「成美ったら、何も考えずに声かけて、鈴葉も何も考えずに摩耶の手を引いてさ。帰る方向とかも聞かずに誘って。でも、摩耶にはそんなことどうでもいいことなんだよね。みんなと一緒にいれれば、帰る方角なんて、どうだっていいことだったんだよね。」すると摩耶は頷いてるようだ。でも、それとは
裏腹に、うめき声の様な摩耶の泣き声が、凛には聴こえていた。そんな彼女をなぐさめるように凛はつづけた。
「摩耶はすごく優しい子だから、摩耶には何でも言えた。他の誰にも言えなかったことでも、摩耶には何でも言えた。だから、摩耶のことが大好きになった。鈴葉だってそう、3人共摩耶のこと大好きなんだよ。だからね、こんなのでお別れなんて、絶対やだからね。又、4人で遊ぼうね。」そう言うと凛は、摩耶を強く抱きしめた。
「ありがとう。凛の気持絶対無駄にしないよ。ほんとにごめんね。こんなことになってごめんね。でも、絶対助○○からね。」凛の耳には、確かに摩耶の声が聴こえていた。
果して重体の少女は助かるのか?次回第7部は、”親切の押しつけ”
です。




