運命の事故
放課後、買い物の為に街に繰り出した3人の女子高生。疲れた彼女たちは、同じ方向なので、タクシーをひろって割り勘で帰ることにした。その車中で交わされた都市伝説の話。そして、その最中に起こった事故で・・・
「ちょうど来たので止めるね。」そう言って手を挙げた鈴葉に反応して、1台のタクシーが彼女たちの横に停車して、後ろのドアが開いた。
「あの、せまいので前にも乗りたいから、前も開けてもらえますか?」
「お荷物でしたら、トランク開けますけど。」
「いえ、荷物は膝の上に乗せますからいいです。」
「じゃあ、後ろに詰めて御乗車願えますか?」
「えー!それだと、凄く窮屈なんですけど。」そんな凛の一言にしぶしぶ運転手は応じて、前のドアが開かれた。そこには、鈴葉が乗車した。後ろにはまず摩耶が乗りこみ、全員が乗って、最後に乗車した凛が行き先を告げると、ドアが閉まり、タクシーは夜の街を走り出した。
「ねえ、都市伝説って確か全部で3つあるって聞いたけど、後の2つはどんなのがあるの?」鈴葉が運転の邪魔にならないように気を使って目いっぱい首を後ろに向けながら小声で聞いた。
「あんまり言っちゃいけないみたいだし、正直私もよくは知らないんだけど、1つはね、病院の420号室から、行方不明のお兄さんを呼んで叫ぶ謎の少年の声が聞こえるんだって。」
「ふんふん、それで?」
「その声を1度でも聞いてしまったら、その病室に引き込まれるらしいんだけど、第1病院には420なんて不吉な数は使われていないし、それ以上は知らないんだわ。」
「ふーん。じゃあ、残りの一つはどうなん?」
「それがねえ。幻の少女とだけしか知らないんだ。」
「幻の少女?」鈴葉がそう言い返したその時だった。
「見ちゃ、だめー!」突然摩耶が叫んだかと思うと、後ろから運転手の目を両手で隠した。一体何?
前方の中央分離帯にはミニスカートの女の子が一人と思ったのはほんの刹那。タクシーは急ブレーキがかけられ、全員前につんのめったかと思った次の瞬間後ろから物凄い衝撃。鈴葉の横を一人の女子高生が後ろから前に飛び出し、車外に放り出されてしまった。それを目にした直後、鈴葉も気を失ってしまった。ほとんど薄れた意識で、かすかに救急車のサイレンが聞こえた。




