新たな都市伝説
ユウリンの意外な正体が明らかに。新たな都市伝説が、未来を塗り替える。
ユウリンの導きで3人は元来たところをエレベーターへと急いだ。
「どうして、ここにいるんですか?」鈴葉が聞いた。
「帰る前に、どうしても解決して行きたかったのよ。それが鈴葉ちゃんと、凛ちゃんとの約束でもあるから。」
「どういうことですか?」
「詳しいことは、後で説明するから今は急いで。時空が閉じちゃう。」そう言ってなんとかエレベーターまでたどり着き、開いた扉に4人は飛び乗った。そして、エレベーターは3階に向かった。
「涼太の病室が1番話しやすいからね。」そう言う間もなくエレベーターは3階に着いた。そして、
4人共まっすぐに涼太の病室に入った。
「危ないところだったわね。」ユウリンは心底ほっとしている様子だった。
「どういうことですか?」改めて、鈴葉が聞いた。
「涼太はね、本来助からずに死んじゃったの。」
「雄太兄ちゃんだよね。ユウリンさんは、本当はお兄ちゃんだよね。」涼太のその言葉に、1番驚いたのは鈴葉だった。
「涼太、もうちょっと待って。今はまだ言っちゃあだめなの。」
「え、え、え、ユウリンさんて、本当は男性なんですか!?」
「あの、私はなんとなく分かってました。」成美は、やっぱりみたいな感じだ。
「どうして、長い間寝てた成美の方が気付いてって、成美はユウリンさんと会ったのは初めてじゃないの?」鈴葉は何か納得がいかないみたいだ。
「お話するのは、初めてだけど、1度私たち2人を見守ってくれてるユウリンさんを見かけたことがあるの。涼太君は気付いてなかったでしょ。」
「どうして、ちゃんと言ってくれなかったんだよ。」涼太がユウリンに詰め寄った。
「だから、言っちゃだめなんでしょ。ユウリンさんの事情、分かってあげよう。」突然、凛が入って来て言った。しかも、その後ろには大貴もいた。
「どうして、凛と大貴君がここにいるの?」鈴葉の頭の中は、もう混乱しきっていた。
「凛さんも僕も、お姉ちゃんに教えてもらったんだ。ユウリンさんとのお別れの時だっていう、お姉ちゃんの声が、心に直接話しかけてるように聞こえたんだ。」
「そう、摩耶には分かってたんだわ。ユウリンさんが力を尽くしてくれたから、自分が救われたこと。
そして、その恩を返すのはもう今しかないことをね。」
「さすがに凛ちゃんね。初めて会った時も、すぐに私がニューハーフだと見破ったし、私が何故貴方たち3人を探していたのか、すぐに事情を飲み込んでくれたわ。高校生の時も変わらないのね。」
「ねえ、みんな一体何言ってるの。訳分かんないんだけど、ちゃんと説明してよ。」鈴葉の問いに、
「全員そろったのだから、もういいわ。420号室に現れた涼太の霊はね、時空をさまよってるの。」その前置きの後、ユウリンは告白を始めた。
「家出してて、弟が重い病気だということも知らずにいたの。再生不良性貧血が重症化していた涼太にとって助かる道は、もう骨髄移植しかなかった。でもそれには、数十万分の一と言われる骨髄の適合が必要だったの。しかし、適合するドナーは結局一人も現れななかった。唯一、高い確率でそれが適合するのが、たった一人の兄弟である私なのに、私はたった一人の弟を見殺しにしてしまったの。私の帰りを信じて待ってた大切な弟は、その兄に裏切られて力尽きて死んだの。だから、その切ない想いが、まだ生きていた頃、そう私の帰りをひたすら待っていた頃に時空を遡って、架空の病室の主となったのよ。」
「涼太君のお兄さんとの年の差は5つって聞いてたんですけど、」
「それがどうしてこんなおばさんなのかってことはね、私は貴方たち3人に導かれて、○○からやって来たのよ。正確に言うと、ずっと成仏出来ないでさまよっていた・・・」言葉の途中からユウリンの体が突然薄くなり、そして全員の前で完全に消えた。それを唖然と見ていた4人に凛がぽつりと言った。
「やっぱり、告白は禁句だったんだ。」
ーーーーー数年後、街で噂話をする女子高生たちーーーーー
「ねえねえ、知ってる幻の少女っていう都市伝説。」
「うん知ってる、知ってる。ぼっちの霊が、友達欲しくて、友達になってくれた人にだけ見えるっていうはなしでしょ。」
「そうそう、それともう一つあるんだ。」
「どんな?」
「その霊に関わった3人の女子高生と一緒にタクシーに乗ったら、その子たちが事故った過去に連れて行かれるんだって。その時鈴の音が聴こえるらしいんだ。」
「鈴の音?」
「リン、リン、リンて鳴るんだって。そしたら、もうそこは過去の世界なんだって。」
「それ、やばくない?」
「あーでも、未来から来たことを口に出して言ったら、塗り替えられた未来に戻るって噂なんだ。」
「へー、未来って塗り替えられるんだっけ?」
「さー?分かんないけど、更に噂なんだけどさ、もうすでに未来は塗り替えられていて、幻の少女も、過去に連れて行かれるって伝説も、もはやただの伝説なんだって。」
「何それ?」
「さあ?」
最後までお付き合い頂きありがとうございました。




