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ユウリンの謎

様々な問題の中で、鈴葉は体の自由が利かないジレンマを感じていた。もう頭の中はパニック状態だ。

 成美の回復のこと。声しか聴こえなくなった摩耶のこと。摩耶を、実は姉の晴菜ではないかという謎の少年大貴のこと。その大貴の義理の母親を名乗るユウリンのこと。そして、420号室の謎の少年の声のこと。自分自身のトイレのこともあり、鈴葉の頭は混乱していた。

 「ねえ凛、もうこの器具はあまり安易に使わない方がいいね。よほどじゃないと使っちゃいけない気がするよ。それにギブスはずしてコルセットに替えるまで後5日だし。ただ、成美のことが心配だな。」あの夜の2日後、鈴葉が言った。

 「そうだね。成美のことなら、摩耶と私が見守ってるし、3人の想いが叶って、きっと元気になるよ。

それより、便秘は大丈夫なの?」

 「1度1週間以上の便秘に耐えられたせいか、もう2、3日くらいは全然平気みたいなんだ。後1回だけ、明日かあさってに連れて行ってくれたら、もう後はコルセットなら、普通に行けるしさ。」

 「じゃあ、あさっての夜まで我慢して。明日はちょっと、狩屋晴菜さんの3年前の事故のことで調べたいことがあるんだ。」凛は、鈴葉から大貴のことを聞いて知っていた。ただ、その後大貴とは、凛も鈴葉も会っていなかった。

 「ごめんね、凛。凛一人にいろいろやらせて。ちゃんと寝てる?体大丈夫?」

 「気にすんな。私なら全然平気だからさ。ところでさ、420号室のことなんだけど、もしかしてと思って、320号室と520号室に行ってみたんだよ。」

 「どうだった?何か分かった?」

 「320号室はお年寄りばかりだったけど、520号室の方は若い人がいて、上手くきっかけをつくって、ちょっと気になること聞き出せたんだ。」

 「あの少年の声の正体のこと?」

 「まだはっきりは分からないけど、520号室にはつい最近まで私たちと同い年くらいの男子がいたみたいなの。その子が、ある人の援助で最近個室に移ったらしいの。」

 「ある人って、誰?」

 「大柄の中年のおばさん。」

 「それ、もしかしてユウリンさん?」

 「私は直接見てないんだけど、聞いたところではそのおばさんの特徴とユウリンさんの特徴がぴったりあうの。多分、そうだと思う。」

 「じゃあ、もしかして謎の少年の霊と大貴君も関係あるってことかな?」

 「さあね、それは分からないけど、その個室を聞いて行ってみたら、病室の前に書いてあった名前は、倉嶋涼太くらしまりょうただった。」

・・・・・2日後の夜・・・・・

 「お待たせ、鈴葉。今からトイレ行く?」2日ぶりに器具持参で来た凛に鈴葉は頷いて答えた。

 「元気ないね。どうしたの?」

 「うん、やっぱり4日出せないと辛くてさ。正直待ち遠しかったんだ。」

 「それだけ?」

 「それだけだよ。」

 「じゃあ、さっそく準備しよう。」そう言って、凛は器具の装着を始めた。

 「3年前の事故のこと、なんか分かった?」

 「うん、その話は又後でゆっくり話すよ。それよりこの2日の間、ユウリンさんとか大貴君とか来た?」

 「来てないよ。まあ来なくて良かったけどね。又おなら出るし、冴えないし、こんな時会いたくなかったから、よかったよ。」そう言ってる間にもう装着が終わったので、さっそくトイレに行った。そして、

難なくことを済ませ、爽快な気分で病室に戻った二人だったが、

 「鈴葉、それ一体何?」夜には来たことなかった鈴葉の母親が、突然やって来ていた。

 「どうしてお母さんいるの?」凄くまずいところを見つかった気がした2人だった。

 「どうしって、娘のことが心配で見に来るのがいけないかしら。そしたら、いないからびっくりしたと

ころだったのよ。」

 「じゃあ、今来たばっかり?まだ誰にも言ってない?」

 「ええ、幸いまだ誰にも言う前にすぐに戻って来てくれたからよかったけど、その器具は一体どうしたの?」兎に角母親は凄く驚いているようだ。

 「知り合いの人が、トイレ行けるようにって、プレゼントしてくれたんだけど。」

 「知り合いって、どういう人なの?どうやって起きたの?腰は大丈夫なの?」

 「すみません。私の知り合いのおばさんなんです。勝手なことしてすみません。」凛が謝った。

 「最先端の介護器具なんだよ。見てて、お母さん。お願い、やって見せて凛。」それに応えて、凛がリモコンを操作すると、鈴葉の体が、立っていた体勢を崩さないまま、器具の能力だけで静かにゆっくりベッドに横たわった。

 「何これ!こんなの見たことも聞いたこともないわよ。」

 「最先端だからね。」

 「それにしても、こんなのあり得ないわ。私は仕事柄こういう器具をネットとかで調べ尽くしてるんだけど、こんな器具は今の技術じゃ絶対に存在しない。」

 「外国製なんじゃないの?」

 「ネット検索で、世界中の最新技術が分かるようになった今じゃ、どんなに秘密開発されていたとしても、これがあり得る技術なのか、そうじゃないかくらいの判断は出来るの。これは、もうあり得ないレベルの器具よ。凛ちゃんのお知り合いって、何されてる方?NASAとかで宇宙開発でもされてるの?」

 「すみません。そこまでは分かりません。」さすがに凛も少し不安そうな顔をしていた。

 「じゃあ、この器具高いのかなあ?」

 「そうねえ。こんな魔法みたいな器具。最低に見積もってみても何百万するわね。下手すると何千万するかもしれないわよ。プレゼントって言ってたわよね。ねえ、くどいようだけど、凛ちゃんのどういうご関係の方なの?」その言葉に、凛も鈴葉ももはやパニック状態だった。

一体ユウリンは何者なんでしょう?2人の謎の少年との関係も気になりますが、次回第14部は、”涼太の病気”です。

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