第8話 不安な気持ち
いつも読んで頂き有難う御座います。今回の作品は、綾音の事を思うあまりにちょっとした事が…。良かったら読んでみて下さい
俺は、考えていた…。
綾音は、なんで“キス”をしたのかを……
考えれば考える程、不安はつのっていった…。
休みは終わり…
なんか、学校行くの…ヤダなぁ…。
正直、どんな顔して逢えばいいかわからなかった…。
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ガラガラっ…
『おはょっす…。』
『おぅ!楓っ。』
いつも、この時間にはいるはずの綾音が、今日はいなかった…。
こういう時、どうしてもネガティブに考えてしまう…。
やっぱ、俺と逢いたくないんかなぁ…。つれぇ…
『裕也?…あのさぁ…、綾音は?』
何気に、綾音の事を探る楓。
『んぁ?知らねぇ…。まだ、来てねえぞ?』
まぁ…とりあえず席に着いた。
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結局、綾音は学校には来なかった…。
『裕也?わりぃ!今日、バイト休み!マスターに言っといて!んじゃ先帰るゎ…。』
『な、な、なぁ?』
かなり、綾音が心配で、いてもたってもいられなかった…。
結局、綾音の家に来てしまった…。
子供の頃は、良く来た家。中学、高校と年を重ねるにつれ、行かなく…、行きにくくなっていた…。
もちろん、親もひなたちゃんも知っていた。
いつも思う…。チャイムを押す時の勇気…。
ガチャ!
『ぁ!楓お兄ちゃん!』
ビックリした…。ひなたちゃんだった…。
『よっ!久しぶりだね。ひなたちゃん!』
『ぅん!どぅしたの?』
『ん?あぁ…。お姉ちゃん…いる?』
『いるけどぉ…、今、寝てるょ?ひなた、お姉ちゃんの看病してるんだょ?凄ぃでしょ。にっ。』
綾音は、体調を崩していた。それで、学校を休んだのだ。
『あれ?ひなたちゃん、どっか行くの?』
『ぅん!友達のお家行くんだぁ!またね!』
あれ…、看病してるんじゃ…。
ん〜。上がっちゃって良いのかなぁ…。
と、言いつつ上がってしまった俺…。
久々入ったなぁ…。懐かしい感じだった。
綾音の部屋の前に来てしまった…。
何か、ドキドキしてきた…。
『ぁ、綾音?俺、楓だけど…。』
返事が…な…ぃ…。
ガチャ!綾音が出てきた…。
『どぅしたの…ひなた……!ぁ…!』
綾音は、寝ぼけていたのか…俺の事を、ひなたちゃんと間違えていた。
いきなりの訪問。
髪の毛ボサボサで、可愛いパジャマ姿の綾音が、俺の目の前にいた…。
やっぱ、まずかったかぁ…。案の定…
『キャッ!何で?何で楓いるの?もぅやだぁ…。』
綾音は、急いで部屋に入りドアを閉めた…。
『ごめん…。さっき、ひなたちゃんいて…、綾音、心配だったから…。ごめん…。』
綾音と、ドア一枚挟んで会話をしていた…。
『具合、大丈夫か?』
『ぅ、ぅん…。』
『なら良かった…。ただ、それだけだから…。ごめんな?』
楓は、少し、ホッとした感じで階段を下りた。
『楓?ごめんね…。来てくれて…、嬉しかった…。ありがと…。』
綾音は、部屋に入ったままだった。
『ぉ、ぉぅ…。早く治して学校来いよ!』
楓は、家を出た…。
綾音は、楓が見えなくなるまで、窓から楓を見ていた…。
たいした事、なくて良かったと思う楓…。
いきなりの楓!ドキドキが止まらなかった綾音…。
ありがとぅ…楓…。
この時、綾音の中の、嫌な出来事は、どこかえ行ってしまった…。
読んで頂き有難う御座います。お互いに好きなのに、前に進めないのが辛いとこ…。また、宜しくお願いします。