不思議な夢
記憶の中の出来事、いや!違う今僕は、、、
ナンだろう今のは、「起きて,祐二さん」え!誰?「何言ってるのははあん、寝ぼけたのね」
冗談だろう、ほんとうに君は誰「祐二さん、本当に冗談はやめて!私よ玲子よ!何朝からふざけてるの」
「ごめん、ほんとうにわからない?何も思い出せない」「祐二さん、ほんとうなの」
「ああ、自分のこともわからない、今どうしてここにいるのかも、、」どうしたんだろう、自分が何者で彼女が、誰なのか、ほんとうにわからない、ああー頭が痛い!と思ってベットから起き上がろうとして、立ち上がって目が覚めた。今のは夢それにしてはリアル過ぎる、それに玲子って、、
僕には、彼女はいない それにしてもきれいな人だったなー 一度でいいから彼女みたいなきれいな人に起こされてみたいなー そんなリアルな夢を見てボーっとしていると携帯が鳴った
あ!健一か、「おいおはよう、今日は店開けないのかよ」その声に現実に引き戻された
時計を見ると、もう11時!「悪い、今開ける待ってて」僕は小さな町で喫茶店をやっている
両親は、交通事故で去年他界して、一人っ子だった僕は保険金やら見舞金やらで、こうして喫茶店を
出して、気楽に生活している 両親を亡くした時はどうやって生きていこうと悩んだり悲しみで、おかしくなっていたけど、友人のおかげで立ち直り結構今は快適に生きている
「おっス、ごめん変な夢見て今までボーっとしちゃった」「変な夢?どんな夢だよ」
健一に夢の話を詳しく説明していると、店のドアが開いた「いらしゃい”!」
なんと、そこに立っていたのはあの夢に居た玲子だ、!
彼女は一つだけあるボックス席に座って「コーヒー下さい」と言った
健一に小さな声で「彼女だよ、夢に出てきて僕を起こした」「はあ!まさか」
「ほんとうだ、間違いないよ」「お前、それこそ夢をみてるんじゃないか」いや、間違いない
いったいどうなってるんだろう、また夢の世界へはいってしまったのだろうか、今 ありえない現実にいる、自分にとまどっている。
「あのーコーヒーまだですか、」 「あ!すいません今もって行きます」
彼女は、夢に出てきた人物だが、僕の事は知らないようだ
「おい、祐二。彼女お前のこと知らないみたいだな、」「ああ、あの夢は、なんだったのかな?」
ほんとうに、あの夢はただの夢だったのだろうか?それとも何かの知らせだったのか?どちらにしても
不思議な夢としかいいようがない、、、「こんにちは、コーヒーちょうだい」
恵子だ、友人の一人 男っぽい性格で気お使わなくてすむ女友達。
「今日は、仕事休みか?」「ううんん、何となく身体だるくって休んだの、、」
「めずらしいな、恵子でもそんな時あるんだ!」
「失礼ね!私だって女よ、」 「ごめん、ごめん」
「今日は僕ほんと変かも?夢と現実今いるのは、夢、現実」
「佑ちゃん、なにぶつぶついってるの、おかしいんじゃない」
「俺、ほんとうにおかしくなったかも?」
いや、こうしてないで、彼女に話しかけてみようか、そのほうがなにかわかるかも、、、
僕は思い切って彼女に声をかけてみた。
「失礼だけど、僕とどこかで会ったことないかな」
「うふ、やっと声をかけてくれたわね」
そういって彼女は、不思議な笑みを浮かべた
「やっぱり、どこかであってるの」
「いいえ、何処でもあったことはないわ、ただ遠い昔私と貴方は恋人どうしだったのよ」
何を、彼女はいってるのだろう、遠い昔?まだ俺は24だぞ、彼女だってせいぜい22~23歳じゃないか!
やっぱり、彼女も普通じゃないのか!
健一も、恵子も開いた口が塞がらないという顔で彼女をみている
[どういうこと!もしかして君も僕と同じ夢を、、、」
「いいえ、夢をみたんじゃあないわ。私は子供の頃から知っていたわ、大人になったら貴方を探して、貴方に会いに行こうと決めていたの、やっと見つけたわ」
いったい彼女は、自分で言っていることを理解しているのだろうか?
俺には、まったく理解できない、、
「まあ、その顔は私を変人と思っていない?」
「いや、まあその、なんていうか、、、」
「そうよね、普通そう思うわよね、私も最初自分に起きたことに、理解できず悩んだわ」
「起きたこと?」
「ええ、私の場合は、突然だったの、ある日の朝私の耳元で声が聞こえたの、貴女には、探さなくちゃ
いけない人が居る!その人の名前は高木祐二、その人に会ったら何もかも思い出すってね、」
「それで、おもいだしたの?」
「いいえ、でも貴方に何処かで会っている気はしているわ?」
「ねえ、それって軟派じゃないの・」恵子がいった。
「いいえ、違うわ!」彼女は、怒ったように切り替えした。
「でも、そんな話信じられる訳ないじゃないの」
「そうかも知れない!でも、私うそや、ありもしないことは、決して言っていないわ」
そんな、女二人の言い合いを聞きながら俺は、この感じ前にどこかで見た気がする、なんだろう、
何時だったろう?
「おい、祐二どうしたんだよ、」
健一が、呼びかける、その健一の声を聞きながら、俺は気を失ってしまったようだ。
気がついたときは、店の二階にある自分の部屋のベットの上だった。
「おい、大丈夫か、いきなり気を失って、倒れたからびっくりしたよ」
健一の心配そうな顔が見えた。
「ああ、ごめんもう大丈夫、彼女は?」
「恵子と、帰ったよ、」
「恵子と?」
「ああ、なんか恵子が、少し別な場所で話を、してみたいって言って、彼女と連れ立って、何処かに
行ったよ」
「ふーんそうか、夢じゃなかったのか、」
「おお、夢見たいな話だよな、」
「うん、まだ、頭がすっきりしない、何か思い出しそうで思い出せない」
「むりすんな、ほんとうのことだったら、きっと思い出せるよ、彼女のただの、思い込みかもよ」
「そうだな、でも彼女の作り事ですませるには、何かいけない気がするんだ。」
「おい、本当のことだって、いうつもりかよ」
「うーん、わからない、けどなー」
「祐二、俺、是から仕事なんだ、大丈夫か一人で」
「おお、大丈夫だよ、もう少し寝てるよ、」
健一は、心配そうに仕事に行った、何で今急に何が起こっているのか、そんな事を色々考えているうちに
僕は、また眠ってしまったようだ。
またゆめなのか? 一筋の光が目に入ってきたと、思ったらそこに真っ白い美しい扉が現れた
開けて入りたい衝動に負けて僕は、その扉を開けてしまった
扉の向こうに僕と、彼女(玲子)が居た!
僕と、彼女は、仲良く寄り添うように眠っていた。
その時何処からか、声がしてきた
(今、みている、光景は、過去のお前と彼女だ、お前達は愛し合っていた。だが、ちょっとした
心のいきちがいで、別れてしまった。彼女は、それでもお前の事が忘れられず、長い事苦しんで
病気でお前への思いを持ったまま天国へ旅たった。それが、今不思議な夢が、きっかけで
現実の世界へ入ってしまったのだ。
今度お前が、目を覚ましたときお前は、彼女の事を思い出すだろう、、その時から、お前への苦しみが
はじまるかも、)
「待ってください、苦しみって、なぜですか、答えてください、」
また、夢だ いや、実際の出来事? いったいどうしたのだろう、
僕の身に今、何が起きているのだろう、あの玲子と言う女は、、、、?
僕が、目を覚ましたとき思い出すと夢では言っていたが、さっぱり?わからない、
何も、思い出さない、、
そんな事を思い悩んでいる日々が数日つつ”いた、、
「おはよう、コーヒーくれよ」 「おう、いらしゃい健一今日は仕事休みか?」
「ああ ところで、彼女は、来てるのか」 「ああ、たまに来てるよ」
「相変らず、お前何も思い出せないのか?」
「うん、何も、、」 「いったいどうなってるのかな」
「いいんじゃないか、このままでそう思うことにしたよ」
「そうだな、考えても仕方ないか、余りにとっぴな出来事すぎるものな」
健一の言うとおり、とっぴすぎる、それに彼女に対してなんの感情も沸かない
あの夢からもう、何日も経っているのに、何も思い出さないし何も起こらない。
相変らず、彼女はコーヒーを飲みに来てくれている。
「いらしゃい、コーヒーでいいかい」
「ええ、今日は薄めでアメリカンでお願い」
顔も、きれいだが、声もいい、、
「佑ちゃん、私もコーヒーおねがい、」 「恵子お前も、仕事休みか」
「ええ、今日はお店定休日よ」 恵子は、近くのペットショップでトリマーのしごとをしている。
「そうか、休みか」
「佑ちゃん、私相談があるの」
「俺に?」
「ええ、聞いてもらえる?」
「いいよ、そうしたら店が終わったら、二階へ来いよ」
「ええ、そうするわ。」
「おい、恵子、なんだよ、俺にはないのかよ!」っと、健一が不満そうに言う
「ないわ、佑ちゃんに相談なの!」健一は、何故か怒って帰ってしまった。
「恵子さん、健一さんの後追いかけなくていいの?」と、玲子が聞いた・
追いかける?どういうことだ、彼女はいても何を言っているのだろう、それにしてもいつから
この二人はそんなに仲良くなったのだろう?
「玲子さん、いいの、あんなやつほっとけば!」
「おい、恵子何言ってるんだよ」
「佑ちゃん、今ここで話をするわ、玲子さんも聞いて!」
「ええいいわ、話して!」
「健一の奴、この前私に、プロポーズしておいて、仕事辞めてしまったの!」
「え!、お前達付き合ってたのか、」
「ええ、去年の、5月頃からね。」
「ぜんぜん、わからなかったよ、」
「佑ちゃん、まだ気持ちが、不安定だったし悪いと思って、隠していたの、、」
「そうか、あの頃人のことに気をくばる余裕なかったもんな俺、」
「そういうわけで、仕事辞めてどうするのって、言ったら、仕事は探すの一転張り、私の仕事だけで、
今食べていけないわ、」
「そうか、でも健一はちゃんと考えているんじゃないか」
[だといいけど、私、健一のそばに居る自信なくなってきたわ」
「もう少ししたら、私自身もお店やりたいと、考えているの」
「え!独立するのか?」
「そんな、おおげさなものじゃないけど、自分のお店もちたいなーって、前から思ってたの」
「そっか!そろそろいいかもな。」
友人が、そんな事になっていたとは、僕はいったい何を、観てきたのだろう、
自分のことでせいいっぱいで、健一の話もろくに聞いていなかったのか?
数少ない親友なのに、自分自身に、腹が立った。
「恵子、もうちょっと、待ってやってくれないかな、絶対健一は、そんないい加減な奴じゃない、きっと考えがあると、思う、信じて待ってやってくれよ」
「わかったわ、佑ちゃんが、そこまで言うならもう少し時間をかけてみるわ!」
恵子の答えに、ほっとして気がつくと、玲子がいない、?
「あれ、恵子、玲子さん帰ったのか」
「あら、ほんと、全然気がつかなかったわ」
[何も言わないで、どうしたのかな?」
「祐ちゃんたち、どうなっているの」
「うん、どうもなってない、あれから夢もみないし、玲子さんも何も言わない」
「不思議ね、何が、起こっているのかしら、私も最初は、玲子さんの芝居かと思っていたけど、
前に、話を聞いてみた事あるでしょう、あの時そうじゃないって思ったの、玲子さんもはっきり
わかってないみたい。」そうなのだ、彼女も、なにもわかっていない、でも俺達は、過去になにかがあった。漠然とした、思いを抱えたまま数ヶ月過ぎた、ある朝僕は、また夢の中にいた。
あ!あれは、玲子誰か知らない男と歩いている。
どうしたのだろう、玲子は、泣いているようだ。
その時!僕の頭の中にはっきりと、玲子の記憶が蘇ってきた。
遠い過去に、確かに玲子と愛し合っていた!でも、あれは、今の僕じゃない過去の僕だ。
どういうことだ、生まれ変わり、また現世で出会ったというこななのか、?
そんな夢みたいなことが、ありうるのか?
いや、今僕は、夢をみている、やはり夢なんだ。
うん、、、携帯が鳴っている。その携帯の音で夢から覚めた、
携帯の相手は、健一だった。
「おう、どうした、」
「うん、恵子なんか、言ってたか」
「ああ、おまえ、結婚するのか。」
「ああ、そうおもってる、あいつを、幸せにしたいんだ!、」
「だけど、仕事辞めて、幸せにできるのかよ!」
「仕事も、もう決まっているんだ。」
「やっぱり、そうか、お前のことだから、いい加減な事はしないと思っていたよ。」
「恵子は、なんだって。」
「大丈夫だよ、ちゃんと話し合えよ、不安がってるだけだよ。」
「わかった、是から連絡して、よく話し合うよ、おい!結婚式には、でてくれるよな」
「あたりまえだろう、ははは、良かったな、お前こそ、幸せにな!」
「ところで、玲子さんの事は、思い出したのか?」
「おお、思い出したというより、また夢に見たんだ、確かに過去に、彼女を愛していた。
でも、現在の、俺じゃない、過去の俺だった。」
「はあ、?それじゃあ彼女は、過去から来たとでもいうのか」
「いや、そうじゃない、いや、わからない。」
「なんだよ、いったいどうなってんだ。」
そんな漠然とした、会話を健一として、僕は、携帯を、切った。
さあ、店を開けなきゃ。
準備をしていると、店のドアが、開いた。 「まだ、準備中、、」
「ごめんなさい、どうしてもコーヒー飲みたくて、」
「じゃあ、少し待ってて」玲子だ、何故か今日の僕は、不思議に、胸がときめく、、
こんな、感情は初めてだ、夢のせいなのか?
「ほい、おまちどう、」
「まあ、おもしろい、その言い方」と、玲子は、本当に楽しそうに笑った。
彼女の、こんな笑顔を、見るのは、出会って以来初めてだ
なんて、可愛らしく笑うのだろう、僕は、その笑顔にみとれていた。
「どうしたの?祐二さん、私の顔になにかついてるの?」
「え!いやそうじゃない、君の笑顔が、余り可愛くて」
「マア、!お上手ね、そんなこと言われたの初めてよ。うれしいわ!」
「玲子さん、こうして君と、二人っきりで、話をするのは、出会って以来初めてだね」
「ええ、そうね、でも、、何故か落ち着くわ。貴方と話していると、自分が自然体でいるような、
きがするわ!」
「うん、僕も、同じだ、君とこうしていると、とても懐かしいきがする、」
「ほんと、なにかしら、この感情、とても懐かしくて、胸がきゅんとするの」
「何かを、思い出せそうな気がするけど、やっぱり思い出せない、でもいいんだ、僕は
今のこの気持ちを大切にしたい、夢の中の君に恋してるんじゃなくて、目の前にいる、
君に、恋をし始めている僕の気持、、」
「ええ、そうね、私も同じ、誰に言われたのでもない、貴方に恋している、自分の心を
大切にするわ」
僕達は自然と唇を重ねた、柔らかい彼女の唇は、僕の心を、よりいっそう、燃え立たせた
彼女を、愛してる、いつからだろう、いや、初めて会った時から愛していたのかも?
それとも、もっと昔から?
どっちでもいい、今の僕は、本当に彼女を愛してる、
彼女との、毎日は、ぼくにとって、幸せな日々そのものだった、
不幸な連絡が、入るまでは、、、
それは、冬の寒い朝に、突然に、来た。
玲子が交通事故にあって、重体という電話!
僕は、玲子の居る病院へ、走った
「玲子、しっかりしろ、いったい何があったんだ!、」
「居眠り運転の、車に,引かれたそうよ、今夜が、やまですって。」
幸子が教えてくれた。
また、過去のように僕達は、結ばれないのだろうか?
手術が、終わって医者がでてきた。
「先生、玲子は?」
「大丈夫です、明日には、話が出来ます、後遺症もないでしょう。」
「ありがとうございます!」
よかった!もう決して玲子を離さない!
「佑ちゃん、よかったね、」
「ああ、本当に良かった、俺、このまま病院に残るよ恵子は、帰って明日必要なもの買ってきてくれるかな?」
「ええ、いいわよ、じゃあ明日ね!」
僕は、玲子の寝顔を、見ていた。そして、いつの間にか、眠ってしまったのだろう。
玲子のか細い声で、目が覚めた。
「祐二さん、ここはどこ?」
「玲子、気がついた、何処か痛いとこはないかい」
「ええ、大丈夫よ」
「ここは、病院だよ、昨日君は交通事故にあって、ここに運ばれて、来たんだよ」
「ああ、思い出したは、私貴方のところに行こうと思って、、、」
「わかったよ、余り話しちゃだめだよ、昨日の今日なんだから」
「ええ、でもいっぱい話したいの、ずーっと夢をみてたわ、過去の夢、やっぱり貴方と、私は恋人どうしだったの。でも、私重い病気を、患っていて、あまり長くは生きられないと、わかって私から、貴方に別れを、切り出したの、貴方は怒って、絶対別れないと言ってくれたけど、私他に好きな人が、できたと言って貴方から、離れたのよ、」
「そうか、結局夢のなかでは、結ばれなかったんだね。」
「ええ、でも私は貴方を、忘れられずに、思いを残したまま死んでしまったの、だから、現在の私に過去の私が、貴方のところに導かれたのかも知れない、、?」
「そうだな、でも僕はどうして、あんな夢を、見たのだろう?」
「そうね、不思議ね過去の貴方も、過去の私に、思いを残して亡くなったのかしら、?」
「わからない?でも今わかっている事は、お互いに愛してるってことだよ」
「ええ、私も愛してるわ」
「今度は、何があっても、君を,離さないよ!」
「ええ!私も今度は、離れないわ!」
不思議な、夢からの出会い、ほんとうにこんな出会いがあるんだ、生まれ変わっても君と居たい
そう、よく他人は、言うけれどこの出会いこそがそれだ!
僕は、彼女に会うためにあの夢を、見たのか、それとも、彼女が、僕に会いたいが、為に
あの夢を、見せたのか、未だにわからない、、、
でも、彼女に会えてよかった、今はそう思う、もうあの不思議な夢を見ることもない。
もう少しして、彼女も回復したら、健一達と、一緒にウエデングベルを、鳴らしてやろうと、
僕は,秘かに心に決めていた。