用語・登場人物紹介
□用語解説
・ファル
ネコが人へと進化した種族。猫耳に尻尾が特徴。柔軟な身体能力に優れ、武器は剣や斧が得意。優性種意識が高い者が多く、ファルこそが最高の種族として疑わない。文明度は他種族を圧倒し、大陸唯一の大図書館なども有している。
・メリン
ウサギが人へと進化した種族。長いウサ耳が特徴。魔法力が総じて高い者が多い。ファルに次いで優性意識が高い者が多く、ファルとは比較的に仲が良い。魔神バルバトスによって、故郷を破壊されている。
・デム
サルが人に進化した種族。蔑称エテ公。地球の人間に似ていて、外見的特徴も特殊能力もない。総じて独善的かつ臆病者が多く、ファルやメリンからは軽視されている。ただ中には稀に優秀な者もいて、一部のデムは優遇されているケースもある。
・ボーズ星人
進化を止め、自我を放棄し、退化を選択した元は人だった種族。ノッペリとした非個性的な顔に、ツルッとした頭をしている。語尾にボーをつける者が多い。優柔不断であるが、争いを望まない平和主義者たち。火に非常に弱い。発見された時に異星人だと思われたので星人との名がつく。能力はデム以下だが、中には哲学的な思考を持つ者もいる。総体数は、上記三種族に比べてかなり少ない。
・魔神バルバトス
「なんとなくムカツク」からというとんでもない理由で世界を滅ぼそうとした恐怖の魔神。30メートルの体躯に、鉄仮面と3本の鉄爪、そして無敵の筋肉が武器。誰も止めるができなかったが、20年前にスタッドの聖魔法によって封印される。
□登場人物紹介
●ノア 16歳
主人公。デムの男勝りな女の子。得意武器はダガー。赤いショートカットの髪。バッカレス盗賊団の紅一点。赤ん坊の時に、バッカレス親分に宝と間違えてられて拾われたのが縁で盗賊になる。盗賊といっても強きを砕き、弱きを助ける義賊。お宝には目がないが、面倒見の良く、正義感に厚い。欠点は思慮に欠け、無鉄砲、向こう見ずなところ。体型はまだまだまだ成長中、かつアスリート寄り。男の好みは、男集団の中で育ったせいか、漢感あふれるマッチョで強いヤツ。いまでは命を助けられたスタッドに、ほのかな恋心を抱いている模様。
●スタッド 42歳
20年前に魔神バルバトスを封印した英雄。元はデムの考古学者で、とくに目立つような人でもなかった。丸メガネをかけ、無精ヒゲ、登山服にリュックサックといった出で立ち。常に朗らかな容姿から、冴えない人物と思われがちだが、その手には聖剣エイストを有しており、見た目とは裏腹に強力な聖魔法をも使用する。種族の平等主義をデムの中で一番先に述べ、忘れ去られていたボーズ星人なども高く評価していたり、常人ではちょっと考えられない価値観を持つ。現在では、フラフラしていて行方は誰にも解らない。ひょっとしたことから偶然に、瀕死の重傷を負ったノアを助けることになる。
●メルメル 16歳
メリンの少女。記憶をなくしていて、ボーズ星人たちに保護されていた。退化の大森林で迷ってる時にノアと出会う。強力な魔法力を持つが、とても心優しく、軽視されているボーズ星人と仲良くしていたり、魔物とも出来れば争いたくないと考えている。ウサ耳で童顔。しかも、清純派と思わせるや、ノアと比べものにならないナイスバディというまさに世の中の男どもの理想(妄想)を体現したかのよう。人を傷つける魔法しか自分が使えないことをうとんでいる節があり、人を助ける技術をもつ医者バーボンに惹かれる。
●ミャオ 14歳
ファルの少女。幼い頃に捨てられ、デムの隠居人コネミに気まぐれで拾われ、その上で不運にも育てられてしまった少女。辺境の地にいたため、かなりの世間知らず。男性という存在を、「頭が光っていて、腹が出ているもの」という誤った認識をもっている。天然で明るい天真爛漫な元気少女。一部のお兄様がたが大好きな、ネコ耳、八重歯、尻尾はもちろん標準装備。でも、天然なフリって計算が高いからできること。スタイルはノアよりも上。
●レイ 16歳
デムの国であるジャスト城の将来を嘱望された優秀美麗な王子。妹のマレルも類い希なる美しさを持つが、実はその妹に恋愛感情を抱かれているのは本人以外ではよく知られた事実。王国剣技も一通り習得しており、それなりに腕っ節も強い。完璧とも思える王子様像であるが、実は女の子に惚れやすいという欠点を持つ。好きな女の子にはストーカーのようになってしまい、身分の差を越えてノアたちの仲間に入る。現在、お熱なのはメルメル。まあ、本人の想いはメルメルに届いていないのもお約束である。
●バーボン 25歳
優秀なデムの医者。かつてはその技術を認められ、ファルの首都レムジンで働いていた。が、種族差別を否定するような主張をしたため、その反感者との諍いで、レムジンでの地位と、右目と左腕のみならず、妻まで失うこととなる。いまでは種族平等の理想を捨て、ジャスト城下町の町医者として、細々と診療を営んでいる。ノアたちバッカレスとは古い知り合いであり、特にノアにとっては兄(叔父)のような存在。ノアには盗賊という危ない仕事は辞め、本当に幸せになって欲しいと願っている。
●ボーズ太郎 およそ58歳
ノアたちとの出会いにより、自我を持ったボーズ星人。基本的には臆病であるが、時にはメルメルのために命を張ったりすることもある。スタッドの力で、隠されていた古代魔法の力に目覚め、癒しの魔法や補助魔法などで仲間達をサポートする。お調子者で、軽はずみなことを言うこともあるが、皆が気づかないところを的確についたりもする。存在感が薄く、気づいてもらえなかったりすることも多い。
●オ・パイ 48歳
暗殺拳を極めたデムの男。死至突と呼ばれる一撃で敵をあの世に葬る。秘宝を盗みにはいったノアを瀕死に追い込む。1年前にジャスト城に大臣として就任してから、国費を極度に節制し、国民への重税を課したり、盗賊やボーズ星人などへの残虐な対応など、己の思うがままに国を操っている。だが、実力は最上なので、国王を初めとして誰も止められないでいる。かなりの現実主義者で、スタッドやバーボンの主張を世迷い言と考えている。ある野望のために、ノアたちと激しく敵対する。
●アホンとダラ それぞれ25歳
デムの傭兵であり、現在はオ・パイ直属の配下。小柄で口うるさいアホンに、大柄で無口なダラの凸凹コンビ。通称2人合わせて、アホンダラ。やることなすこと、ヘマばかりであるが、オ・パイにとってはハイハイ言うことを聞くので扱い易いらしく、たびたび用いられている。ノアたちにとっては一応、障害となる好敵手。まあ、一応であるが…。
●コネミ 50歳
ファルの領土、レグー砂漠にある釣り人の泉で釣り三昧の隠居生活を送っている。女魔物のステラに好かれたり、ファルのミャオを拾って面倒を見たりと波瀾万丈な人生を歩んでいる。温厚そうにいつも笑っているが、実は他人とコミュニケーションをあまとらずに表情が硬直しているだけ。本人に悪気はないが、ピリッとくる失礼な毒舌が特徴。戦闘能力は見かけに反して総じて高い。
●ファラー 55歳
レムジンの大教会にいる司法の長である大司教。レムジンの施政である元老院に口出しできる程の権力者。ファルでありながら、並のメリンが歯が立たないほどの魔法力を有する。スタッドと旧知の仲である。穏やかで寛容な性格だが、強引なところもあったりする。6人の娘がいて、娘のためならば苦労もいとわないほどの親ばかぶりな面もあったり…。
●ドレード 36歳
レムジンを統治している元老院のファル。若くして、その才覚を見出され元老長に抜擢された。元は優秀なファルの戦士であり、冷静沈着なのはそのせいでもある。何よりも秩序を重んじ、自らファルという種族に誇りを感じている。緊急事態には特注の長刀を振るい、兵たちの戦陣を切るほどの武闘派でもある。定かではないが、歳が離れた妹がいるという噂もまことしやかに囁かれている。
●ディレアス 25歳
ミルミ城崩壊に伴い、レムジンに避難したメリン。そのメリン族代表として元老員に入った父の跡を継ぎ、年若く元老員となった。優位種族という意志が強く、過剰な自意識からか軽薄浅慮な発言も多い。元老院では自分の年齢に近いドレードに頼り切ってしまっている。実はメリンの王族の血を引いている。どうやらバーボンとは深い因縁がある模様。